ゆきまつ孝太郎活動報告〔無所属〕

名張市議会議員【2期目】 教育民生委員長

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2012-07-20 [ Fri ]
テーマ:人口問題

先週末、名古屋大学大学院の特別講義があったので、聴講した。内容は、次のような概要であった。
講師は、大泉啓一郎氏である。
1.概要
 21世紀はアジアの時代と言われている。日本のGDPの伸びはペースダウンして久しいが、中国、韓国のそれは確かに好調である。最近はインドの台頭が注目されている。いつまで上昇が続くのか。懸念された「まぼろしのアジア経済」に終わるのではないか。人口動態からアジア経済の将来を予想し、今から手を付けねばならぬ社会政策を提言する。人口動態とは誠に分かり易い切り口で、ともすれば宗教の違い、歴史の違い、文化の違い、伝統の違いなどに惑わされて、成るようにしかならぬと放り出してしまう我ら素人に、説得力あるマクロの視点を提供してくれる。ただ現在サブプライム問題で急激に表面化した超大型ファンドの影響力が、アジア経済に単なる外資導入でひと括り出来る性質のものか、今後の動向に注意せねばならぬ。

 人口ボーナスというキーワードが重要な役割を演じる。私は寡聞にして始めて耳にする言葉だ。出生率の低下にともなう生産年齢人口の人口比率の上昇が、労働投入量の増加と国内貯蓄率の上昇をもたらし、経済成長を促進するという意味だ。提示されている諸国の過去はすべて、とりわけ日本及びNIES(韓国、台湾、香港、シンガポ-ル)では、この路線に当てはまるというからたいした概念である。日本ではバブルがはじける少し前頃にボーナス期が終わった。NIES諸国では少子化はわが国同様に進行しているが、団塊の世代はまだ定年を迎えるのに間があるから、適当な成長を謳歌している。この成長はしかし'15年にもなれば確実に終焉を迎える。おそらくNEIS諸国はわが国並みの生活水準に到達しているであろう。日本の奇跡から始まった東アジアの奇跡の前半の修了である。

 中国は人口ボーナス期開始から遅れて開発段階に入った。彼等の人口ボーナスが終わるタイミングは'15年頃とNIESとほぼ同じである。そろそろボーナスも終わりに近づいていると云える。だが現在中国の経済成長率は群を抜いて高く、衰えを見せない。中国統計局は'21年には日本のGDPに追いつくと宣言している。人口ボーナス論は完全雇用に近い状態を前提にした。人口ボーナスの定義を少し変えて中国に当てはめようと云う。日本やNIESでは2次産業が労働力を吸収することができた。しかし中国では未だに農業人口が就業人口の50%という大きな割合を占める。そのかなりは過剰労働力で、偽装失業という言葉を被せている。それがなんと2億人だ。後は云わずとも判る。労働人口減少など何のその。農村は農民工を供給し続けるから、経済成長に翳りが来ない。中国の高い経済成長率は、間違いなく2次産業の発展がもたらしているのだが、労働集約型産業の発達が不十分というか、先発の奇跡国ではあとに来た資本集約型産業ついで知識集約型産業がごったに一度に展開し、しかも非能率の国営企業が高い優先順位を持ち続けると言った事情が背景にある。世界の工場と言われる中国の内情は極めて厳しい。ASEAN 4(タイ、マレーシア、インドネシア、フィリッピン)は、それぞれに特徴があるが、概ね中国型であるという。

 ベトナムとインドが時折引用されているが、この中での最貧国だ。'05年の1人当たりのGDPがそれぞれ627$、725$だ。でも私はこの両国の将来にそれほど不安を感じない。前者は小中国的発展が進行中だし、後者に関しては、独自のIT産業を基幹とする展開がマスコミを通じて喧伝されてきた。私がもっとも心配する国はフィリッピンだ。日本のクルーズ船にはフィリッピン人乗務員が多い。私がもっとも接する機会の多い外国人である。人懐っこく親しみの持てる人が多い。'00-'05年の実質GDP成長率は4.7%と高く、所得も最後尾だがなんとかASEAN 4らしき位置にある。教育レベルはASEAN 4中では高い方だ。人口ボーナスの始点は他と同じだが終点が遅く、期間がなんと日本より15年も長くなると予想される。どの指標も悪くない。だが彼等の母国から聞こえてくるニュースには、特に外国資本の経済活動に向かい風となる話が多い。無数の島礁よりなる点も暗い材料である。

 わが国はすでに老齢者大国だ。就労人口あたりの老齢人口が、今の若者の時代になるとこんなにも高くなると新聞は書き立てる。それぞれの世代でそれぞれの役割がある。我々の世代は、よく例に出す私の経験だが、新大卒の初月給が1.4-5万円だった。現在では名目賃金でも多分10数倍になっているだろう($ベースなら50倍弱)。つまり追いつき追い越せの先兵であった。今の世代は繁栄維持により老人を養う世代である。年寄りはなにかと貯金を取り崩す。国内貯蓄率はかっての1/3になったと先日の新聞に出た。でもため込んだ資金が1500兆円。世界最大の中東政府系投資ファンドが100兆円程度の規模だから、地力が伺える。就労世代は世界も羨む高学歴揃いである。いまでは知識集約型産業に重点が移りつつある。全国民を対象とした社会保障制度が実施されていて、老人たちの余生にかなりの安心と保証を与えている。介護保険制度、年金制度、健康保険制度。

 わが国では当たり前のこの状態は、年金一つとっても他の東アジア諸国では当たり前でない。もっとも進んだ韓国でも、国民皆年金制度がスタートしたのは、'99年という。年金を5$/人(65歳以上)・日とする簡単な試算がしてある。中国では'05年ですでに歳出の40%、'40年にはその3倍以上の予算が必要だ。中国では'05年には1人の高齢者を9人で支えていたが、'30年には4人に減少する。タイは年金制度改革を積極的に進めてきた国である。わが国の戦前の恩給制度のように、公務員と軍人の年金が'51年に始まった。以来営々と国民皆年金制度に向けて改善されたが、未だ皆年金に至らない。人口動態を加味したシミュレーションが許さないためという。ただし、国民皆医療保険を'02年に実現した。中国、ASEAN 4の中ではもっとも早かった。開発途上国にとって福祉国家の形成は夢物語なのであろうかと「アジアの高齢者を誰が養うか」の章を結んでいる。

 上の説明から判るように、後発諸国ほど福祉国家への道は厳しく殆ど不可能である。残された道は福祉社会の建設だ。かっては家族や村人たちが老人や弱者を護る伝統文化が息づいていた。それを近代的に衣替えした姿にして、福祉社会を形作ろうというのである。わが国は地域福祉への取り組みが早かった。本書では'69年からとしている。住民参加、男女共同参加、福祉文化、共生社会の4柱をうたったのが、'02年という。わが国の取り組み、経験が役立たぬはずがない。。わが国は人口ボーナスが'30年頃に始まり'95年には終わった。NIES諸国では始まりで30年の遅れ、終わりで20年の遅れとなっている。老齢化率が7%から14%に拡大する年月を倍加年数というらしいが、日本は24年、他のアジア諸国もだいたいそれと同じかそれ以下である。フランスの115年は極端だが、ヨーロッパ諸国はだいたい長い。そしてはるか昔の話になっている。やっぱりアジアの唯一の参考事例は日本なのだ。

 
2.項目「人口問題から見たアジア諸国 ~高齢化を中心に~」
 
(1)アジアの人口変化
①21世紀は、アジアの時代

②世界人口の変化と東アジア

③人口転換モデルとアジア諸国の位置

④出生率の急速な低下

⑤全国レベルで低下する出生率

⑥出生率はなぜ低下するのか

⑦加速する高齢化

⑧人口ピラミッドの変化(日本、中国)

(2)高齢化が経済社会に及ぼす影響

この項目等は、後日報告します。




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プロフィール

ゆきまつ

Author:ゆきまつ
幸松(ゆきまつ) 
   孝太郎(こうたろう) 
65歳
住所:名張市百合が丘西2ー86
職業:名張市議会議員(無所属)
家族:妻、二男一女の5人家族
座右の銘:
”Mastery for Service
(奉仕のための練達)”
「”社会の中で輝いた生き方”をするために!」

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