ゆきまつ孝太郎活動報告〔無所属〕

名張市議会議員【2期目】 教育民生委員長

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2012-05-01 [ Tue ]
テーマ:スウェーデン研修

2月にスウェーデンに研修に行ってきたのであるが、竹中平蔵氏のポリシー・スクールに特徴的なことが掲載されていたので、これを引用して紹介しよう。

 『昨年米国で最も読まれたビジネス書の一つとして、ラグラム・ラジャン著『フォールト・ラインズ』という本がある。フォールト・ラインズというのは、あえて訳せば「断層」もしくは「大断層」ということになろうか。要するに、今の社会には人々が越えられないような、または絶望的に大きな壁が存在していることを意味している。ラジャン氏は現在シカゴ大学教授であり、最年少で国際通貨基金(IMF)のチーフ・エコノミストになったことで知られている。啓蒙書ではあるが、きちんとした業績のあるエコノミストがセンセーショナルな本を出版して、注目を集めた。

1.大断層の時代

 格差の問題に象徴されるように、今日の経済社会には「断層」があり、それが拡大しているように見える。世界経済を見ても、高成長を実現した新興国と取り残された途上国の落差はあまりに大きい。また一つの社会の中にも、所得格差が存在し拡大している。今日の格差は、技術進歩が加速するなかで拡大しているものであり、その克服には教育の拡充など地道で時間のかかる政策が必要とされる。したがって、断層を越えることは容易なことではない。ラジャン氏は、断層の下にいる人々に希望を与えようとしたのが米国の「サブプライム」であったと言う。しかしこれが行き過ぎて、あのようなクラッシュを引き起こした。そして金融危機が収まった後も、大断層は依然として存在しており、新たな危機の引き金になり得ると警告するのだ。エジプトなどアラブ諸国の社会不安は、食料品価格の高騰によってこうした断層問題が形を変えて顕在化したと考えることができる。

 そこで、改めて政策の在り方が問われることになる。日本の経済問題の中で常に大きな比重を占める問題として「国民の安全と安心」の問題がある。様々なアンケート調査で、明日が読めない状況の中で将来に対する不安は極めて大きいため、少し高い税・保険料の負担を受け入れても、安心できる社会を望む声は大きいことが示されている。ここから政府は今、「税と社会保障の一体改革」を進め、具体的に消費税率の引き上げを行おうとしている。

 しかし、福祉国家をつくることによって断層問題は克服できるのだろうか。また福祉社会をつくるにはどうしたらよいのか―。こうした点で北欧の福祉国家が引用されることが多いが、スウェーデンを例にとって見ると、今日の日本に対して2つの重要な教訓が得られるように思う。第1は、実に長期の時間をかけて福祉制度を充実させたこと、第2はそもそも社会福祉充実の前提として労働市場改革と教育改革が実現されたことである。

2.福祉だけでは断層克服は困難

 最近、スウェーデン経済の実情を紹介・分析した良書が日本国内でも出版されるようになった。湯元健治・佐藤吉宗『スウェーデン・パラドックス』(日本経済新聞出版社)、藤井威『福祉国家実現へ向けての戦略』(ミネルヴァ書房)などである。それらによると、まずスウェーデンの福祉国家が優れた指導者の下、極めて長期の展望を踏まえて建設されたことが分かる。スウェーデンという国は、第2次世界大戦に参加しなかった。そのため大戦後の復興期には高成長のチャンスに恵まれ、結果的に多くの女性が労働市場に進出した。すでに1960年には1人当たり国内総生産(GDP)が米国に次ぐ世界第2の地位を占めていたのだ。しかし、女性の社会進出によって家庭が崩壊し、離婚率・自殺率が極めて高い、今日のイメージとはかけ離れた国であったという。そうしたなかで「国家を家族に」という理念の下、社民党党首のエランデル首相は「豊かさを実感できる」国家の建設を目指した。

 具体的には60年、4.2%の消費税(後に付加価値税)を導入し、地方住民税の引き上げによって、成長成果の国民への還元を指向した。その後20年強を経過した83年には、付加価値税23.5%、住民税は30%強(60年には14%弱)となる。結果的にこの間、国民負担率は28.8%から50%強へ上昇する。こうした形で国民の負担増を可能にしたのは、まず漸進的な増税でその都度国民生活の向上を実感させたこと、徹底した分権を行い受益と負担を住民の目に見える形にしたことが挙げられる。

 同時に重要な点は、エランデル氏がまず教育改革と労働市場改革を目指した点である。これにより人びとの所得稼得能力を強化した、つまり経済の供給サイドを強化した。その際、女性の社会進出などを助ける観点から、社会福祉を充実させたのである。こうした点は、社会福祉の内容に端的に示されている。言うまでもなく、日本に比べスウェーデンはGDPに占める社会保障給付の比率は圧倒的に高い。日本18.6%に対し、スウェーデン31.9%となっている。しかし、この格差13.3%のうちの11.1%分は、年金・医療以外の社会福祉に関するものだ。年金や医療では日本とスウェーデンの相違は驚くほど小さい。要するに、家族政策や保育・就学前教育など、労働を支援するために多くのコストを支出している。また、その多くが現金給付ではなく現物支出によってなされている。

 スウェーデン政府は、競争政策においても厳しい姿勢で臨んでおり、経済の供給サイドに大きな配慮を払っていることが知られている。

 ラジャン氏の指摘のように、経済社会に断層が存在することの重要性を厳しく認識する必要に迫られている。しかしその解決策は、教育の強化と労働市場の改革であり、それを支えるための社会保障改革である。年金・医療のための安易な増税だけで、事態の本質的な改善に結びつかないことは明らかだ。』

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://ctj07146.blog33.fc2.com/tb.php/875-c54fd662

まとめtyaiました【スウェーデン福祉国家の特徴は、労働市場・教育改革を目指したことである。】

テーマ:スウェーデン研修2月にスウェーデンに研修に行ってきたのであるが、竹中平蔵氏のポリシー・スクールに特徴的なことが掲載されていたので、これを引用して紹介しよう。『昨年米国で最も読まれたビジネス書の一つとして、ラグラム・ラジャン著『フォールト・ライン?...

 | HOME | 

2017-08

  • «
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • 31
  • »

義援金募集

FC2「東北地方太平洋沖地震」義援金募集につきまして

カレンダー

07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

プロフィール

ゆきまつ

Author:ゆきまつ
幸松(ゆきまつ) 
   孝太郎(こうたろう) 
65歳
住所:名張市百合が丘西2ー86
職業:名張市議会議員(無所属)
家族:妻、二男一女の5人家族
座右の銘:
”Mastery for Service
(奉仕のための練達)”
「”社会の中で輝いた生き方”をするために!」

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。