ゆきまつ孝太郎活動報告〔無所属〕

名張市議会議員【2期目】 教育民生委員長

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2012-04-08 [ Sun ]
テーマ:不況対策

 今日は、経済のお話 No.2です。小野義康著「成熟社会の経済学」について、紹介しよう。

1)成熟社会の不況政策
 成熟社会の長期不況にある日本が考えることは、緊縮財政のことではなく、国民生活に貢献する事業とは何かを具体的に提示することでしょう。そこで代表的な3つの政策についてみてゆこう。

① 高齢化社会の社会保障問題: 日本が2025年に高齢者比率が30%を超え2055年に40%になることは、推定というよりも確実に起りうる事態である。この高齢者むけ年金問題は現在の枠組みで考えるなら、払う側の負担(若い層)を引き上げるか、貰う側(高齢者)の受取額を引き下げるかしかないように思われる。消費の盛んな現役世代から生活するだけの高齢者へお金を回すことは需要減退になって景気にも影響しそうである。

 定年延長は若い世代の仕事を奪うことであまり薦められない政策である。若い層と高齢者との対立の構図は、高齢者社会保障をお金の再配分だけで見るジレンマである。生産力が余剰にある成熟社会での高齢者社会保障制度の在り方を考える必要がある。社会保障の目的はお金を配ることだけではなく退職した人々に一定水準の老後生活を保障することであるとするならば、設備、物、サービスなどを提供する(無料乗車パス、利用券など)分野へ向かうことで、その分野の雇用を拡大し消費一般の刺激につなげる必要がある。

 現在人口の25%を占める高齢者が全資産の約50%、金融資産の60%、住宅土地資産の42%を保有している。いずれは現役世代に引き継がれとしてもこれを現役世代のために活用してほしい。そのためには高齢者が世間に出ることが一番である。活動的な高齢者がこれから増えてくる事を期待する。少子高齢化社会を恐れる必要は少しもない。高齢者のライフステージ(カタカナで書けば夢が溢れるというわけでもないが)も拡大しており、高齢者の定義を引き上げれば統計上の圧迫感はなくなる。成熟期には生産性が余っているのだから高度経済成長期の中国のような労働力は必要なくなっている。西欧諸国のようなこじんまりした人口規模で豊かな生活という人口減少社会を設計する意味が重要だ。子育て支援も補助金や減税といった現金支給よりは設備・教材・教育費などの現物支給の方が雇用拡大に繋がる。

② 災害対策問題: 3.11東日本大地震の復興策には、赤字国債発行よりは5-10年の時限復興税を創設し、集めた財政資金を復興のための生産拡大に当てるべきでは無いだろうかと著者は主張するが、現在の政府ではそのような動きは全くない。災害義捐金が2011年9月で約3200億円も集まっているが、これも復興税と同じ使い方に向けるべきである。東日本大震災の復興事業規模は10年で30-40兆円といわれている。政府の負担分はその40%とすると10-15兆円となる。日本の生産力は10%程度余っているので、復興は生産力の問題ではなく復興資金を集めることに関して国民的合意が得られるかどうかにかかっている。極めて政治的な問題で、政府の力量に期待がかかるのである。

 不思議なことに災害の循環と景気の循環は大体30-40年のサイクルで繰り返している。丁度1世代のスパンで繰り返されるので、「忘れた頃にやってくる災難」の経験が生かされてこないのが悲劇である。不況はマクロ経済の動向が引き起こすもので、個々の人々の責任では断じてない。働きたくとも仕事がないのである。無能だから失業するのではない。

③ 環境エネルギー問題: 省エネ・新エネ推進は決して日本経済の負担ではなく、製品の技術力がいつも日本経済を救ってきた。原発に頼らないエネルギー資源対策こそ、石油に頼らないエネルギー対策・地球温暖化対策と同様に日本の技術力で立ち向かえるはずである。恒久的な環境需要を創出する方法として新エネルギーへの補助金を増やすことである。原発関係予算は4000億円といわれるが、これをそのまま新エネ開発に回すことで国の新電源エネルギー開発と不況対策が行なえるのである。省エネ家電のエコポイントは2009-2010年に9兆3000億円の実質消費押し上げ効果があった。GDPの約1.7%に相当した。住宅エコポイント制度も改築・新築需要を押し上げた。こういった政策こそが新たな需要を生み、経済刺激となる。

2) 国際化経済政策
 成熟社会で消費を抑制し、効率化(人件費の圧迫など)と生産力増強に走れば、失業が増えてかえって需要が減少し(生産性が過剰になって)景気が悪化してゆく。生産性が拡大した分だけ経済が緊縮するのである。一企業レベルの利潤拡大策援助レベルの政策は、かえってデフレスパイラルを生み需要を求める企業の海外移転を促進するだけである。もはや「民の活力」に期待する政策では不況から脱出できない。新たな市場の創出が必要なのである。現在競争力至上主義が世界の企業を支配している。日本では需要が少なくなった従来製品を海外で生産することは、企業の利潤最大化主義となって経営者を金額だけで縛り付け、同時に近隣諸国窮乏化政策となっている。日本企業が経営合理化(コストダウン)によって利潤が増え貿易収支黒字が続くと、間違いなく円相場が上がりそれが利益を相殺してゆく。

 現在(2012年2月)日本の超優良企業が軒並み赤字を計上しているのはそのためである。過度な経常黒字があるかぎり円高は進んで、日本企業は国際競争力を失ってゆく。また海外であげた利益を日本に送金するため、ドルで円を買うので円相場が上がるというジレンマも円高に影響しているらしい。1社にとっての効率化もすべての企業で同時に行なうためその効果が仇になる事は,海外移転企業も国内企業も同じである。全社が利潤最大化のためにリストラに向かったため、生産性が上がった分失業率が増え、経済全体の消費がさらに減少する。これが更に各社の利潤が低下することになるのである。コストダウンを行なわない1企業は市場から退場しなければならない。企業経営の多難さは想像するに余りある。生産性拡大とそれが生み出す円高を享受できるのは、内需が旺盛で完全雇用(失業率2%以下)が維持されている場合のみなのである。

 日本経済が不況で累積赤字国債が膨大なら円安となるはずなのに、なぜ円高が続いているのだろう。それは需要と雇用が減少し、生産性がだぶついて海外移転が進み(その努力が実って企業が利益をあげたため)膨大な経常黒字があるから円高となるのである。その円高が利益を相殺している。つまり円高は好況時には生産性のバロメータであったが、不況では内需低迷のバロメータである。中国経済の発展で日本は苦境にあるというのは間違いで、これだけの円高でも競争力は強く、2000年以来人民元のレートは一定であるが対中貿易赤字は減少し続け2010年には黒字に転換している。為替レートの水準(ファンダメンタル)は経常収支の黒字や赤字が際限なく拡がらないように調整されている。

 そして円資産はドル資産への需要からも影響を受けている。毎日の変動性為替レートはレート水準の変化率をみて資産の収益を確保するために動くのである。為替介入はレートがファンダメンタルからかけ離れた動きをすれば投資化に警告を発することである。2010年の日本の対外純資産は世界最高の250兆円であるり、世界一の金持ち国である。中国は180兆円、アメリカはマイナス250兆円であり、欧州は軒並みマイナス資産である。また経常収支の構成は1990年以来貿易収支より所得収支の比率が高まっている。日本はアメリカとおなじく金融立国となりつつある。使い道のない金をこれだけ溜め込んでいるより、自分の生活をよくする者やサービスの購入に向かわないのが成熟社会の不況の特徴である。海外の開発途上国にお金を貸す(ODA)ことも渋り、お金を握って離さないことが円高と失業を生んでいる。それでもお金を稼ごうとがんばっているのが日本の円高不況の姿である。

 国内需要(内需)を増やす努力よりも、海外に需要を求めて(外需)海外移転を行ったため、円高と国際競争力の低下と国内不況の悪化を招いている。企業の海外移転とは、日本企業が国内施設を閉鎖して海外にある企業に投資することである。資本の投資先は日本でも海外でもなんら構わないのである。すると日本企業の名前を冠している企業とは何物なのだろうか。

 日本国内にある日本企業といっても、外国人株主比率の方が多い企業は多い。外国人株主比率が50%以上の主だった日本企業のなかで最大は中外製薬で76%、日産自動車は70%、あおぞら銀行は66%、昭和シェル石油が61%、大東建託が59%、ヤマダ電器が56%、HOYAが52%、オリックスが52%、ファナックが51%などである。このように企業の海外移転とはその産業が日本で衰退し発展途上国で拡大してゆくことである。そのような企業を無理に日本に引きとどめて衰退企業を存続させるよりは、自由に海外に移転し日本への輸出を増やせばいいことである。

 海外移転が行なわれることは経済の衰退ではなく、産業構造の転換のきっかけとなる。海外移転と輸入拡大は円安に動く。これらが1日にして移動するわけではなく時間をかけて円安による雇用拡大に結びつくことは経済回復になるわけで、海外移転を恐れることは無い。1日にして企業が日本からいなくなるわけでは無いので、産業構造の転換が必要となる。その産業で新たな雇用を生むことが日本再生の要である。替わって起こる産業は、成熟社会の不況政策で述べた産業群でありたい。環太平洋経済連携協定(TPP)も産業変換を促すであろう。農業保護一辺倒では関税保護策といわれてWTO違反となる。国際価格に見合った国内農業策を検討しなければならない。

 次回は、TPPへと続く・・・・

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プロフィール

ゆきまつ

Author:ゆきまつ
幸松(ゆきまつ) 
   孝太郎(こうたろう) 
65歳
住所:名張市百合が丘西2ー86
職業:名張市議会議員(無所属)
家族:妻、二男一女の5人家族
座右の銘:
”Mastery for Service
(奉仕のための練達)”
「”社会の中で輝いた生き方”をするために!」

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