ゆきまつ孝太郎活動報告〔無所属〕

名張市議会議員【2期目】 教育民生委員長

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2012-02-26 [ Sun ]
テーマ:スウェーデンの教育政策

スウーェーデンの教育政策は、福祉政策と同様に政治の力で推進しておりますので、紹介しよう。また、メディアについても見てください。

(1)教育政策
1.社会教育(成人教育)
スウェーデンの成人教育には長い歴史があり、義務教育や高校教育同様、公教育制度の一部になっている。すべての公教育は無料もしくは部分的に公的予算から拠出され、公的施設における授業は無料が原則である。成人教育は、国家予算の1.2%(1994 年度:日本は約0.1%)にあたる文化予算から拠出され、その約三分の一(1994-95)が成人教育に充てられている。
一般的な成人学習サークルは、100 以上ものさまざまな分野に分かれており、2003 年の統計では、全学習サークルの約4 割は芸術、約2 割は社会科学/情報という構成になっている(スウェーデン政府, 2005)。
さらに、コミューンにおける成人教育は、成人のための基礎教育、高校成人教育、補助職業訓練によって構成されており、義務教育補充や高校の復習、移民の語学教育にも大きな役割を果たしている。22~55歳を対象とした特別成人教育援助金、失業者援助金、就学ローン等、成人学校用の福祉援助金制度も充実しており、2003 年には延べ約1560 万人が何らかの成人教育プログラムに参加している(スウェーデン政府, 2005)。
政府による成人教育政策の目的は、個人の成長、民主主義、経済的成長、雇用、公平な分配を促進するため、知識を広げ、技能を発展させる機会をすべての成人に与えることである。これは、政府の文化政策の基本的原則である「すべての人々の文化的生活、文化的経験、創造活動への参加の機会を保障する」という福祉国家ならではの平等理念に基づいている。

2.学校教育
 スウェーデンの学校教育制度は、6~7 歳が就学前学級、7~15 歳が基礎学校(小学校・中学校・特別学校)、16~19 歳が高校、19 歳以上が大学・専門学校で、生涯教育としての成人学校もある。
学校教育に関する教育行政組織は、中央レベルが「国会→文部省→中央教育庁・学校庁→」、地方自治レベルが「地方議会→教育委員会→」、地域レベルが「地区執行委員会→基礎学校・高校・成人学校」となっている。

国内総生産(GDP)に対する学校教育費の比率は6.5%(公財政支出6.3、私費負担0.2:2001 年)と日本(4.6%:公財政支出3.5、私費負担1.2:2001 年)より高く、義務教育(基礎学校)後の高校・大学教育も基本的に授業料は無料である(スウェーデン政府, 2005)。

学校は2 学期制(8 月下旬~12 月下旬、1 月初旬~6 月初旬)で、授業日は年間40 週178 日以上。
評価については、5 年生と9 年生の終わりに英語と数学の国家試験が行われるが、8 年生までは成績表はない。成績表の代わりに、子どもの発達や進歩について保護者と子どもを交えた「成長懇談会(三者面談)」がある。

中学校では、少人数授業が多く、テーマ学習や社会実習等、生徒の自由、自己選択、自己責任を重視している。落ちこぼれの生徒にも専属の特別教員やアシスタントをつける等、子ども一人ひとりを大切にしており、生徒の希望を最優先し、失敗しても再挑戦できるゆるやかな進学・転校制度になっている。
高校は、職業専門(全44 種類)と大学進学のための標準プログラム(全17 分類)の2 種類があり、就労、留年、留学しても20 歳までは高校入学資格がある。大学へ入学するために高校の成績や単位が足りなければ、成人学校に通い再挑戦することも可能である。

大学も学費は無料で、「親の経済力が子どもの教育を左右してはならない」という平等理念に基づき、就学ローンや住宅援助等、国によるさまざまな支援策が整備されている。
スウェーデンでは、現在、移民流入による学力格差が広がりつつあり、生徒の不登校やいじめの問題、教員の質の低下等、新たな問題も抱えている。

3.問題点No.1
 スウェーデンでは、数年前に学校基礎教育の自由化に伴い、営利を目的とした私立学校が増加しています。
公立(コミューン経営)の学校と私立の学校による生徒の募集競争があり、多くの生徒が私立の学校に通うことを希望しています。しかし問題は知的障害、言語の遅れた生徒、自閉症の症状のある生徒たちを、アシスタントや特殊教育の教師を必要とすること、経費がかかるからと私立の学校は、何らかの障害があると思われる生徒の受け入れを好みません。
 
つまり私立の学校で受け入れない問題児等も、公立の学校に通学することになります。当然のことながら公立学校の生徒の教育レベルはさがることになり、特に外国人移民者が多い地区では、学校の評判は悪化する傾向にあります。現実には差別待遇となりますが、「私立の学校は対応できる状態ではなく、生徒に十分な教育指導をすることが保証できないと」表面的にはもっともな説明をしながら、優秀な生徒を優先的に受け入れているものです。

当然評判の悪い基礎学校(小中学校)に、通学を希望する生徒数は減ってきます。その影響で今年の新学期から、生徒数が不足して経営できないとして、廃校になる公立の学校があります。この学校は数年前から、学内暴力、いじめ、近くの商店における万引きの増加などが続き、だんだんと評判が悪くなっている。

コミューンはその対策として学校の名前を変更したり、地域の商店街や警察と協力して、そうした問題の発生を防ごうと努力してきましたが改善効果はなく、マスコミにも問題が討論され、一時は800人近い生徒を教育していましたが、現在では115人までに減り、ついに新学期から、廃校することにコミューンは決定したものもあります。

4.問題点 No.2
 公立の学校が減り私立の学校が増加していますが、しかし時には、あるアフリカ系小学校のように、校長が県から教育費として支払われている金額を、テロリストへの資金援助として横領していたことが発覚したり、宗教を強制的に教育科目の中に入れることを禁止しているにもかかわらず、イスラム教の指導をし教育庁から指導、監督を受けるなどの、いろいろな問題が発生したことがあります。

またエリート教育で学校の評価を上げ多くの生徒を集めるために、生徒の成績を普通以上に良い成績評価を出し、教育庁から指導を受けた学校などもありました。
しかし、一番の問題は僻地における学校の実態です。経済不況が続き、ちいさなコミューンの住民が、家族ぐるみで就職していた会社の倒産や人員整理などで失業し、他の地域に仕事を求めて移動する若い家族が増加してきました。

 学校に通う子供がすくなくなり、昔の日本の東北地方に見られたような、小学校全体で10人ほどの生徒しかいない学校も珍しくはなくなりました。コミューンの経費負担は大きくなり、学校閉鎖をする地域も多くなりました。新学期(ちなみにスウェーデンは夏休み後の8月が新学期となります)から、ある地域の子供は、毎日片道100キロもある遠い街の学校に通うことになりました。タクシーで往復する費用はコミューンが負担しますが、それでも小さな学校を経営する費用よりは安いと発表しています。通学時間があまりにかかることから、子供を抱える両親たちは、他の地域に移動することを検討しています。 

 スウェーデンで最近廃校になった学校数を調べたところ、全国で2003年以後閉鎖した学校数は、350校にもなります。同時期に少子化の影響で、全国で約15万人の生徒減少となっています。ここ数年子供の出生率が増加してきましたが、この子供たちが小学校に通うころになると、学校不足の問題が発生することは、コミューンの教育担当者は理解しています。しかし現在税収入が激減し、教育および福祉費用の削減をせざるを得ない地域が多くあります。多くのコミューンで教職員の人員整理が続いていますが、スウェーデンの僻地学校教育の将来は、どのようになるのでしょうか。

5.最後に、政治からみる教育政策
 教育の分野において、現・中道保守政権(右派ブロック)が大々的に打ち出している政策の一つは「高校職業科における見習い制度(läringsutbildning)」だ。これは職業科のカリキュラムのうち、職業教育の大部分を企業の実際の現場において行うというもので、高校教育とその後の職業とのリンクを密接にし、若者の就職を円滑にすることが目的。建設業や製造業の一部では即戦力となる高卒者の人手不足が心配されているため、労働組合もこの提案に賛意を示しているし、社会民主党などの赤緑連合も反対はしていない。
 
 以上は高校教育の中での見習い制度についてだが、中道保守政権はこれと同時に、高校を卒業した後の若者(23歳以下)を対象にした「見習い雇用(läringsanställning)」も提案している。これは、失業中の若者を通常よりも低い賃金で雇って、現場で仕事をしながら職能を身につけさせるもののようだ。しかも、雇用保護法(LAS)の適用から除外することで、簡単に解雇ができる。そのため、賃金や雇用条件の悪化に繋がったり、若者が通常よりも低い賃金で働かされることは公正ではないと見る社会民主党や労働組合は反発している。


 現・中道保守政権の中で教育分野を担当しているのは自由党だが、この党は他にも様々な政策提案を行って、中道保守政権のマニフェストに盛り込んできた。その中で特徴的なのは、義務教育や高校教育における「規律」と「秩序」を強調している点だ。例えば、学級崩壊などの状況に対応するために、携帯電話の取り上げなど教師・学校の権限を強化する提案を行っている。これは理解できるにしても、他方では、秩序を乱したりといった問題のある児童・生徒を居残り処分や停学処分にしたり、別のクラスや学校に移すことができるようにもする提案を行っている。

 これに対し、現場の教師などからは、そのような子供たちの問題は、停学やクラス・学校を変えたりすることで解決するわけではなく、むしろ、彼らには教師によるより重点的なケアが必要だ、という声も強い。また、社会民主党も、高校教育ならまだしも、義務教育の段階で「停学」を行うという点を激しく批判している。

また、以前の社会民主党の政権下では、各学校の生徒会の活性化と権限の強化が図られ、学校の意思決定にも児童や生徒の声を反映させ、学校運営に対して彼らの積極的なイニシアティブを取り入れようとしてきたが、自由党はそのような政策を「生ぬるいお遊びだ」と批判してきた。自由党は、生徒会を中心とした生徒民主主義や生徒の影響力をむしろ削減し、教師の権威を取り戻そうと躍起になっている。

自由党の学校教育政策の全般に感じられるのは、秩序を乱す問題児に対して、教師が重点的にケアや支援を与えることよりも、むしろ罰則の強化によって、問題の解決を図ろうとしていることだ。先ほど触れた居残りや停学といった処分のほかにも、授業のズル休みを成績評定に言葉として加えると脅すことで、児童・生徒に対する抑止効果を働かせようとしている。

しかし、教師を対象にした世論調査によると、現場の教師が最も重要だと考えているのは、問題児への重点的な支援、生徒のケアの向上、学校環境において教師と生徒が互いに守るべき価値観の議論することだ、と答えていることが、テレビのディベート番組でも紹介された。また、現場の教師が最も重要ではない政策と指摘しているのは、子どもに居残りをさせたり、ズル休みを成績評定に加えるといったことだという。

社会民主党をはじめとする左派ブロック(赤緑連合)は以前から、教師の声に沿った政策提案をしてきており、自由党のように、罰則を強化することで教師と生徒・児童の対立をあおるのではなく、教師と生徒・児童が互いに個人として認め合い、尊重しあうことで秩序を維持すべきだ、と主張している。

これに対して、自由党の党首は「甘すぎる」と批判。振る舞いに問題があり秩序を乱す子どもに対しては、親を学校に呼び出し、教室の後ろに座らせるといった措置まで提案しているものの、共働きの社会においてそんなことは現実的な提案とは言えないという声が強い。

 ちなみに、自由党の党首Jan Björklund(ヤン・ビョルクルンド)は、義務教育や高校では生徒会で活発に活動しており、自由党にもその頃から党青年部会に加わるようになった。一方、高校卒業後に徴兵を行った後は、そのまま軍隊に残り、将校養成学校で学んで将校・軍事教官を本職とするようになった。最終の階級は少佐であり、その後、政治にフルタイムでかかわるために、予備役将校に転じている(国会議員になる前はストックホルム市議会で議員をしていた)。だから、本来は「リベラル」を志向する自由党が、「規律」や「罰則」の強化ばかりを主張するようになった背景には、彼のこのような経歴があるものと考えられている。選挙を前にした、様々なディベート番組でも現場の教師との意見の相違が目立つように感じる。

(2)メディア
 スウェーデンでは、国民1 人当たりの新聞/ラジオ/テレビの利用時間(1 日)が約6 時間、毎日、新聞(新聞紙、オンライン)を読む人の割合が約87%というように、マスメディアの消費が非常に盛んである(SwedishInstitute, 2006)。
特に、新聞の購読量はノルウェーやフィンランドと並び、世界トップクラスである。新聞はほとんどが地域版(朝刊のほぼ全紙が定期購読で毎朝配達)で、全国版はタブロイド版2 紙、ビジネス版1 紙だけである。国内の新聞は約160 紙あるものの、その約半数は発行部数の少ない(週1~2回)ものである(European Journalism Centre, 2000)。
雑誌は、家族、食物、スポーツ、コンピュータ、科学分野のものが人気が高く、組合や団体発行の業界誌も需要が高い。2005 年だけで150 誌もの新雑誌が創刊され、その種類の豊富さは世界屈指である(SwedishInstitute, 2006)。

スウェーデンのテレビ放送は、ビッグファイブと呼ばれる国営放送のSVT1, SVT2 と民間放送のTV3, TV4, Kanal 5 が、全体視聴率の7 割以上の占めている(2005 年は79.6%、2006 年は73.7%)。その他、スモールファイブと呼ばれるEurosport, TV6, TV4PLUS, Discovery, MTV が最近急速に視聴率を伸ばしており、特に子ども向けチャンネルの人気が高い。
スウェーデンでも多メディア、多チャンネル化が進んでおり、政府は、2008年2 月1 日までに地上波放送の完全デジタル化をめざしている(SwedishInstitute, 2006)。
ラジオ放送は、全国チャンネル4 局(P1, P2, P3, P4)と地方チャンネル26 局を持つ公共放送のスウェーデン国営ラジオ(Swedish Radio)の独占状態65~79 歳の約8 割が聴取)で、インターネット放送も盛んである(Swedish Institute, 2006)。

スウェーデンでは、映画も人気が高く、国内マーケットシェアの約5 割を占めるSvensk Filmindustri(SF)を始め、大手の映画会社や配給会社が競合している(Swedish Institute, 2006)。
また、子どもや若者の間ではテレビゲームの人気が非常に高く、スウェーデンメディア評議会(本編pp.16~22)が2005 年に発表した調査結果によれば、男の子の56%、女の子の25%が「毎日」もしくは「週に3~4回」テレビゲームをしているという(European Schoolnet, 2005)。
一方、デジタル環境においては、2004 年末現在、インターネット普及率は対人口比69.9%で世界3 位である(財団法人インターネット協会, 2005)。
ブロードバンドの普及率は2006 年現在で75.6%で、携帯電話の普及率は2005 年現在で人口の約93%に達している(Post- och telestyrelsen, 2006)。
メディア政策については、文化省(Ministry of Culture)が中心となり、「メディアの有害情報からの青少年保護」「表現の自由」「メディアの多様性、独立性」「パブリック・アクセス」を重視している(European JournalismCentre, 2000)。

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プロフィール

ゆきまつ

Author:ゆきまつ
幸松(ゆきまつ) 
   孝太郎(こうたろう) 
65歳
住所:名張市百合が丘西2ー86
職業:名張市議会議員(無所属)
家族:妻、二男一女の5人家族
座右の銘:
”Mastery for Service
(奉仕のための練達)”
「”社会の中で輝いた生き方”をするために!」

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