ゆきまつ孝太郎活動報告〔無所属〕

名張市議会議員【2期目】 教育民生委員長

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2012-01-14 [ Sat ]
テーマ:議員研修

昨日、野田改造内閣が発足した。今回の改造の大きな狙いは、消費税率引上げに批判的な民主党内や野党に向け、どんなに批判があっても消費増税を実現する決意を示したもので、そのため社会保障と税の一体改革の「司令塔」として岡田副総理が起用された。

 この社会保障と税の一体改革については、これからどうなるか不透明なものであるが、これまでの経緯も含め、なぜ今「一体改革」か?とか今後の自治体としての考え方などを北海道大学大学院法学研究科教授 宮本 太郎 氏から講演していただいたので、その一部を専門家などの問題点や意見をまとめた問題意識を紹介しておきたい。

(1)背景
 国・地方を合わせた長期債務残高は、11年11月現在860兆円(累計で約1千兆円超)に達する見込みである。財政再建化は喫緊の課題であるが、消費税率の引上げは、もはや避けて通れない政治的課題となっている。政府は、この1月6日に消費税率引上げを含む「社会保障と税の一体改革大綱素案」が決定した。その内容は、2014年4月に8%、15年10月に10%に引き上げるものである。また、社会保障分野においても、年金制度改革、介護保険制度改革、医療制度改革といった、いわゆる3大改革後の各制度間の整合性を問題視し、一連の改革は単なる財源の辻褄合わせに過ぎないとの厳しい見方が存在することもやむを得ない。もはや我が国の財政政策は、一環性のない戦術的対応に終始した先送りの継接ぎ策であることは許されず、まさに戦略性が問われているといえよう。
こうした問題意識に立って、社会保障と税の一体改革や地方の財政改革も含めて、多くの問題提議をしてみたい。

2.問題意識
1.持続可能な社会保障制度の確立
①少子高齢化への対応と財政の健全化
社会保障制度の持続可能性を揺るがす最大の要因は、人口高齢化である。高齢化は、経済成長を鈍化させ、社会保障制度の支え手を減少させ、社会保障給付費を急増させる。まずは、少子化傾向を食い止めることが当面極めて重要である。

 次に、財政状況もまた重要である。高齢化のなか、社会保障費の支出拡大は今後も不可避であり、保険財源だけでは、現在もそして将来も安定財源を確保できず、税財源に依存するところが大きい。膨大な債務の存在は、財政の自由度を低下させることから、財政再建はおろそかにできない。

②負担と給付のバランスのとれたアプローチ
 給付水準や給付のあり方だけを議論する給付論のみとか、また財政負担のみに着目し、負担の軽減あるいは上昇を回避するために、限りなく給付を下げていく必要があるという意見にも同意できない。また、社会保障制度が経済成長・活力を阻害し、保障給付を引き下げるという議論も正しくない。

③社会保障をめぐる国と地方の役割分担
 社会保障制度における所得再分配、すなわち年金や生活保護、雇用保険等の現金給付は基本的には政府の財源と責任において、直接個人に対して給付すべきである。一方、医療・介護・福祉などの対人社会サービス、いわゆる現物給付は、各自治体が直接的なサービスの提供を行う。この際に、社会保障として①ミニマムは、質量に必要な給付の財源は、国および経済力・高齢化率などを考慮した地域間再分配によって財源が確保されるべきである。②ミニマムを上回る部分は、各自治体が財源確保すべきであろう。

(3)社会保障制度
1.少子・高齢化のなかでの社会保障制度の持続可能性
①人口構成のインパクト
2006年の国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」によると、我が国の高齢化のスピードは、先進国の中でも極端に早い。また、人口減少化地域ほど高齢化が進む傾向になり、サービス供給体制の効率化、財源確保も重要な課題である。

②社会保障費の将来予測
2006年で、90兆円近くに達し、社会保障給付費の70%が高齢者向け給付である。今後の高齢化の加速により、年金はもとより、介護・医療保険制度も同様に危機的状況を迎える。これからの危機は、団塊の世代が75歳を迎える2025年である。
社会保障制度は、2004年年金改革、2005年介護保険改革、2006年医療保険改革と相次いで大きな改革が行われた。

2.雇用・家族の変化への対応
①雇用の流動化・多様化が社会保障制度に与えた影響
正規労働者は、厚生年金、健康保険、自営業は国民年金、国民健康保険によりカバーされてきた。しかし、90年以降の非正規社員が増加し、所得が不安であるため国民年金や国民健康保険の未納者が増加した。雇用制度の変化により社会保障制度が十分対応できなかったことにより、社会保険中心型の社会保障制度は危機に陥った。

②家族の変容(核家族、家族規模の縮小)が社会保障制度にもたらした影響
家族の変容も著しい。今後、高齢女性単身世帯や低所得単身高齢者が増えていくことが予測されている。一方、若年世代も疲弊している。親と同居する20歳から34歳の未婚者が増加し、2007年には46.7%となり、10年間で3%増加している。この背景には、未婚率の上昇や所得水準の悪化もある。このような家族の機能が低下した社会保障制度の見直しが必要である。

3.社会保障制度が抱える問題
①高齢社会においても持続可能な仕組み
.年金制度
Ⅰ.年金制度改革の目標
年金制度そのものの不安定化に関わる問題である。まず、年金制度の評価の基準を確定し、その上で課題を明らかにする必要がある。
対策として、第1点は、年金財政の持続可能性は、少子高齢化が最も深刻な優先度の高い問題。第2点は低所得の高齢化の保護は、高齢化に伴い低年金、無年金の高齢者数が増加し、その一部が生活保護制度に流入し、2つの制度がドミノ倒しになりつつあるため、緊急性が高い事項である。第3点は、公的年金の対象者を増やすことは、正規労働者の減少と非正規労働者の増加によって、自主納付の木民年金加入者が増加し、未納者増加につながっていることは重要なテーマである。

Ⅱ.後世代負担の増加を抑える改革
これ以上の保険料引き上げによる若年者負担の増大に依存すべきでない。これまでの年金改革で高齢世代の優遇は明確である。年金財政を増やすための保険料、給付乗率、支給開始年齢、スライド率の4つの政策手段は、若い世代に不利になるよう調整されている。

.医療・介護
後期高齢者医療の廃止に伴う対案として、都道府県単位で全保険制度を一本化し、リスク構造調整を行うか、あるいは、65歳以上についてのみリスク構造調整を行うべきではないだろうか。

.ワーキングプアの増加と所得再分配機能・セーフティネットの拡充
貧困問題や経済格差の拡大に関する問題は、現在の世界経済で過度な規制強化や反グローバリゼーション政策を図れば、国民に分配すべき経済全体のパイが縮小したり、トリクルダウン理論は「失敗した時代遅れの考え方」と批判されている。
現在必要なのは、規制緩和やグローバリゼーションを進めながら、同時にセーフティネットの拡充や所得再分配の強化を図っていく政策である。

Ⅰ.ワーキングプアの増加
国税庁の「民間給与実態調査」によると、民間給与所得者のうち年収200万円未満の人々が2002年、2004年に19.1%、22.8%と着実に増加している。また、非正規労働者が雇用人口に占める割合も3割に達しており、この労働者がいわゆるワーキングプアの増加原因と言われている。しかし、定義は明確ではないが、イ.世帯主が労働していながら、ロ.世帯収入総計が生活保護生活扶助未満であり、かつ生活保護を受給していない世帯とした場合、若年世代で増加傾向にあり、20代後半で14%存在すると推計される。

Ⅱ.貧困の増加と再分配政策の拡充、被用者保険の適用拡大
国際比較において、ジニ係数、相対的貧困率おいずれも上位にいる。市場所得だけをみれば高くはないが、再分配所得は上位に来る。また、ILOの「金融経済危機:ディーセントワークによる対応」によると、失業手当へのアクセスが、著しく制限されている国として、アメリカ、カナダ、日本が指摘されている。

 対策として、給付付き税額控除の構想ではどうか。課税最低限に達しない世帯に対しても、「負の所得税」として給付を行うことができる。給付条件に、就労、子供を付けることで、勤労税額控除として就労支援や児童税額控除として子育て支援が可能になる。
 また、低所得世帯の子どもに対する就学前教育や小中における学力の格差や高・大への進学率の差も拡がらないように教育支援策は重要となる。

.現物給付の提供体制の見直し
Ⅰ.医療
日本の医療費は、GDP比で8%程度と先進国では低い方にあり、今後の高齢化を考慮すると効率性を高める必要はある。医療を巡る問題は、つまるところ医師不足である。医師数は1000人当たり2.2名でOECD平均の3名より低い。医師配置基準に達していない病院は全国で4分の1程度存在し、地域間での医療サービスの格差が広がっている。また、病院の分業も不完全なことにより、医療提供体制が非効率になっている。
特に、医療機関間の機能分化が遅れており、慢性疾患と急性疾患を区別したシステム作りが急務である。更に、勤務医と開業医の診療報酬の配分の見直しも必要であり、このままでは、低い収入により勤務医から開業医に転身することを防ぐことはできない。

 今後は、一定範囲のなかで専門病院を最適に配置し、医療機関間のネットワークで対応し、利便性よりも安全性を重視すべきである。
医療需要サイドにも改革が必要である。まず、外来受診の回数は年間14回と英国の2倍、米国の3倍以上である。防ぐためには、病院に行く以前段階としてかかりつけ医を位置付ける。
入院日数の長さも社会的入院として、介護施設や在宅医療、介護の充実による解消が期待される。診療報酬については、DPCの導入により入院患者の在院日数は短縮している。後発薬品の普及も遅れ15%に留まっている。政府は2012年までに30%をめざす。今後は、特定検診・特定保健指導のデータは標準化され電子データとなり、電子化されたレセプトデータ同様に2011年ナショナルデータベースに蓄積され、電子カルテの普及なども進めば、IT化が確立される。そうすれば、医療チーム内、医療機関間、保険者、加入者・患者も加えて情報に連結できるようになる。その結果、在宅医療、地域医療連携、医療と介護の連携、医療ミス予防、予防・保険事業の強化、HERによる電子的生涯型健康記録管理、保険者機能の強化、住民の疾病状況、受信行動の把握とそれに基づく計画的な医療機関の配置といった医療計画、保険者間の財政調整・拠出金の参考指標などへの活用が可能になり、医療サービスの生産性向上に寄与できる。社会保障カードの早期実現が可能になる。

Ⅱ.介護
 介護労働力の不足と介護施設の不足が深刻になっている。介護労働者は、比較的熟練を要しない生活支援を行っているが、一方、認知症、リハビリに対応するレベルの高い身体介護を担う専門的な介護労働者は、専門性の引き上げとそれに見合う介護報酬体系、賃金体系にする必要がある。この報酬は、介護の質を左右する重要なインセンティブであるが、大きく遅れている。今後は、専門性の高い分野の介護労働者の賃金体系を見直し、経験と技能の蓄積が賃金に反映される仕組みを早急に確立していく必要がある。対象者が2025年には250万人程度まで増える可能性があるだけに、早期に介護労働者の処遇体系を確立しておく必要がある。

 介護施設は、給付費抑制により、介護保険対象の介護三施設の不足が問題となり、待機している要介護者は40万人以上に達している。こうした中、有料老人ホームや高齢者専門賃貸住宅への期待が高まる。しかし、2006年の老人福祉法の改正により、特定施設の新設規制を行う自治体が増えている。理由は、施設増加に伴う給付費の増加を危惧し、総量規制を反映したものであり、民間主導の特定施設の増加の障害になっている。住宅政策と介護政策の連携を進め、市場メカニズムを活用した介護サービスの充実が急がれる。

.少子化対策
 日本でもようやく家族・子ども福祉に投入する財源を増やしているが、GDP比で、先進国の3分の1程度に留まる。(日本0.75%、アメリカ0.7%、イタリア1.3%、ドイツ2.01%、イギリス2.93%、フランス3.02%、スウェーデン3.54%)それは、施策が、一時的であったり、対象者を限定したりして、所得保障、労働政策、保育サービスの整合性を考慮しないものであった。OECD各国の少子化対策政策で成功した政策によると①継続的、②包括的、③体系的な政策を行った国は成功している。

 また、育児休業の普及の遅れや保育所不足などから、両立支援も大幅に遅れている。有配遇女性の就業率はここ20年ほとんど改善していない。こうした中、潜在的に100万人程度存在する待機児童の問題の保育制度は、認可外保育所でありながら、人的、施設基準を満たしている施設は、公的支援を行っているが、保育所の最低基準は全国一律でよいのか、自治体の裁量をどこまで認めるのか、さらには供給拡大のための安定財源をどうするのかの目途も立っていない。

などなど・・・・・・・・。

以上の問題意識の上で、宮本教授のお話を伺ったわけであるが、講演時間が1時間30分という短い時間でもあり、十分な確認はできませんでしたが、現在までの動向はよく理解させていただきました。

 後日宮本教授の考え方も含め、詳しく述べるようにしたい。

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プロフィール

ゆきまつ

Author:ゆきまつ
幸松(ゆきまつ) 
   孝太郎(こうたろう) 
65歳
住所:名張市百合が丘西2ー86
職業:名張市議会議員(無所属)
家族:妻、二男一女の5人家族
座右の銘:
”Mastery for Service
(奉仕のための練達)”
「”社会の中で輝いた生き方”をするために!」

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