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 ゆきまつ孝太郎活動報告〔無所属〕

名張市議会議員【2期目】 教育民生委員長

2011-03-30 [ Wed ]
テーマ:政務調査費より使用

会派みらい 行政視察レポート               
2011年3月28日  幸松孝太郎

(1)行程
  3月23日 大阪府堺市視察 バイオエタノール・ジャパン関西(株)の現場へ
    対応者:代表取締役 福井清正、工場長 鈴木 実 

(2)視察の目的
 名張市は、平成23年度バイオマスタウン構想推進事業に総額約1億円を推進費として予算計上している。この事業は、木質マテリアル実証施設(三重大の3号試験機を改造)において、間伐材等の木くずに含まれているリグノセルロース素材のうち、有効に利用されていないリグニンを三重大の船岡式相分離系変換技術により、高付加価値素材のリグノフェノールと糖類に変換させて、一切残渣を発生させずに有価資源として利用することを目指している。
 この糖類(7割に相当)から3割をバイオエタノールに変換する製造施設を見学することで、船岡式の変換技術やその相違点などを確認することにより、名張市の木質バイオマス推進事業のシステム、特に分離の困難さや構造の複雑さなど製造技術と社会的効果などを把握することで予算化の是非を確認することが目的である。

 ※バイオマスタウンとは、地域における関係者の連携の下、バイオマス(家畜排せつ物や生ゴミ、  木くずなどの動植物から生まれる再生可能な有機質性資源のこと)の発生から利用まで、効率的なプロセスで結ばれた総合的利活用システムが構築され、安定的かつ適正なバイオマス利活用が行われているか、あるいは今後行われることが見込まれる地域をいう。

(3)バイオエタノール・ジャパン関西(株)の視察
1.バイオエタノール・ジャパン関西(株)の概要
 この企業は、平成16年3月25日に大成建設・大栄環境・丸紅・サッポロビール・東京ボード工業が共同出資し設立された。平成19年1月から稼働開始し、木質系バイオマス(建築廃木材・木くず・剪定枝等)を主原料に燃料用エタノールを製造している。

 リサイクル率の向上を求められていた建設廃木材等を有効活用することで、循環型社会の形成を目指し、石油などの化石燃料に替わるエネルギーの製造と温室効果ガスの排出量削減により、地球温暖化防止に貢献している。
 この事業は、「大阪府エコタウンプラン」のエコタウン事業として、運営しており、環境省から地球温暖化対策ビジネスモデルインキュベーター事業の採択を受け、建設費(40億円)の半分の補助金(20億円)を受けている。
 また、事業の内容は、「産業廃棄物・一般廃棄物の処理に伴う燃料用エタノール等の再資源化品の製造及び販売」としている。

2.バイオエタノールとは
 バイオマス資源とは「生物資源」という意味で、動植物などの自然から生まれた再生可能な有機資源のこと。この「バイオエタノール製造施設」で使われている建設廃木材、古紙、おからなどの食品廃棄物もその一つ。
最近、バイオマス資源を再利用する研究が各地で進められ、その有効活用が望まれている。

 バイオエタノールは、サトウキビ、とうもろこし、廃木材などのバイオマス資源を発酵し、蒸留して作られる植物性のエチルアルコールで、新たな燃料用エネルギーとして注目されている。「バイオエタノール製造施設」で作られたエタノールは、自動車やボイラー等の燃料として利用されている。

 バイオエタノールは、ガソリンと混ぜて使うのが一般的で、日本では現在法律で3%まで混合できることになっている。ガソリンに混ぜて使用することにより、次のようなメリットがある。1つは、二酸化炭素の排出量を削減し、地球温暖化防止に貢献している。2つ目に、石油の使用量が減少することでエネルギー資源を確保。3つ目に、廃棄物の削減にもつながる地球にやさしいエネルギーとして、大きく期待されている。

3.バイオエタノールの製造から利用まで
バイオマスは、生物が光合成によって生成した有機物であり、バイオマスを燃焼すること等により放出される二酸化炭素は、生物の成長過程で光合成により大気中から吸収した二酸化炭素であることから、バイオマスは、ライフサイクルの中では大気中の二酸化炭素を増加させない。この特性を称して「カーボンニュートラル」という。
   
4.廃木材からバイオエタノールができるまで
●全体の概要・・・別紙

●バイオエタノール製造フロー図・・・別紙

●その他の情報
 ①バイオエタノールの製造・ボイラー燃料に関して、良質木くずはバイオエタノールの製造へ、そしてバイオエタノールに不向きな木くずはボイラー燃料として利用して、プラント設備の電力を賄い、夜間は関西電力に売電している。材料は、産業廃棄物(家屋の解体物・パレット等)、一般廃棄物の剪定枝を原料としている。バイオエタノールの製造は良質なものだけで、その選別作業が前段階として必要となる。

 ②製造したバイオエタノールは、レギュラーガソリンに3%混合し「E3」という製品でガソリンスタンドにて販売している。
「E3」の販売ガソリンスタンドは大阪府内に16店舗、大阪府外に6店舗ある。
「E3」のガソリン税(揮発油税及び地方道路税)は、平成21年2月25日から平成25年3月31日まで軽減され、最大1リットルあたり1.6円が安くなり、現在販売しているガソリンスタンドでは通常のレギュラーガソリンより1リットル2円安くしている

(4)名張市木質マテリアル実証施設整備事業の『リグノセルロース素材の相分離系変換技術とそこから生まれる新素材(リグノフェノール)の研究開発と事業化』の概要について
①委託先組合名:技術研究組合LIPS(経済産業省から平成23年1月5日に設立認可)
②事業費:初年度 5.4百万円(24年度の想定 4.394億円)
③プラントの設置場所:(株)センシン名張工場内
④プラントの改修費:52百万円
⑤4年後に量産化プラントの建設と高付加価値な製品への適用により、実用化を目指すもの

(5)所感
 2月の宮古島市視察でも述べたが、「バイオマス・ニッポン総合戦略」(平成18年3月改定)により、バイオマスの利活用推進に関する具体的な取り組みの行動指針が示され、国産バイオ燃料の本格的な導入と森林地残材等の未利用バイオマス資源の利活用等が盛り込まれた「名張市バイオマスタウン構想」(平成21年12月11日に公表)策定の取り組みが、全国で224番目に始まった。

 今回視察したバイオエタノール・ジャパン関西(株)は、大阪府が平成17年に「大阪都市圏に循環型社会の全国的なモデルを形成することを目指すとともに、環境関連産業の振興を通じ大阪の産業の活性化を図るため、廃棄物最終処分場跡地等を活用し、自然再生の取組みと併せて、先進的な民間リサイクル施設の整備等を行う。」ことを目指して作ったエコタウン事業で、全国で24番目である。

 同企業は、建設廃木材など廃棄物を有効活用し燃料用エタノールを製造する世界で初めての「バイオメタノール製造施設」であり、かつリサイクル施設でもあることに非常に興味をもっていた。
  また、三重大の船岡式モデルの3号試験機が3月4日付けで解体されており、相分離変換技術によるシステムがこの製造現場を見て確認することでわかるのではないかという期待もあった。

 現場に着くと最初に、工場長からバイオエタノールについてパワーポイントの説明から入り、施設のビデオを見ることで製造施設の概要を理解することができた。説明後、製造現場を一つ一つ確認しながら見せていただいた。簡単に言えば、『建設廃木材をエタノール原料用と燃料用に分けることから「前処理」のスタートであった。その後、水と希硫酸を加えて加水分解させ糖液を作り、それに遺伝子組み換えでパワーアップした大腸菌(KO11)を使って発酵させる。次にエタノールに変換させるために栄養材としておからを利用し、濃縮・蒸留・脱水という操作を行うことでエタノールが製品になる。加水分解時に未分解の木材残渣は、リグニンとしてバイオマス燃料として出荷される。できたエタノールは、岡山市の中国精油(株)に運ばれE3ガソリンとなり、大阪府内外22カ所のガソリンスタンドで利用されている。』

 しかし、見学した施設は国内初の商用プラントであり、企業秘密と製造特許もあり、工場の外側しか見せてもらえないので、全容までというわけにはいかない。結局、採算が見込めるまでにはまだ何年か先になることは十分に理解できたつもりだ。

 循環型社会の形成と地球温暖化防止をめざし、建築廃木材のバイオエタノール化は、廃棄物の有効活用という観点からも期待したいが、その将来性は今後どのように前処理を簡略化できるか、C6セルロースをどのように分解することができるか、遺伝子組み換え菌でないものが使えるかなどによって大きく変わってくるのではないか。今後の技術開発に注目していきたい。

 名張市は「木質マテリアル実証施設」を(株)センシンに設置して試験を重ねて、量産化プラントの建設へと実用化を目指していくことになるが、まずはコスト面と高付加価値の製品化への適用という問題点を克服していかなくてはならない。伊賀森林組合や名張木材協同組合等から調達する間伐材などの木粉の仕入価格や安定確保など製造コストをいかに安くすることができるかが必須である。

 また、実用化に向けた進め方として、①サンプル提供によるリグノフェールの製品開発。②量産化に向けた連続式プラント設計。③①、②の活動を通じて、当面見込める需要量、最適なプラント規模と実施場所、プラントコストも含めた生産コスト、需要側の希望コストなど把握し、事業化に向けた計画立案・体制の確立が必要である。

 しかしながら、これらの計画や調査は、資源の収集・運搬コスト、相分離変換技術など主に技術開発的な問題から事業化に至るケースは少なく、まだまだ解決すべき多くの課題を残しているのが現状である。 このような状況を踏まえ、市では具体的な進め方として、ステップ1:複数企業等による技術研究組合を立ち上げて実行する。ステップ2:技術研究組合の成果を踏まえて、組合メンバーによる相分離変換事業の事業計画・体制の確立を図る。ステップ3:事業計画・体制作りを実行し、本格事業を開始すると掲げており、今後の実現に向けて情報提供、指導、相談等を積極的に取り組んでいくことが必要となる。

 今回の視察で、「名張市バイオマスタウン構想」のマテリアル変換によるマテリアル利用やバイオエタノールによるエネルギー利用について学ぶことができたことは、事業全体のイメージを理解する上で、非常に有意義であった。また、製造されるリグノフェノールは、樹脂や各種材料等様々な工業用原料が高付加価値応用製品群としての利用が期待されている。この技術が事業化され、量産化施設が整備された暁には、名張市の産業とも結びつつ、伊賀市等三重県内の他市等との連携及び広域バイオマスタウンについても検討していくことになろう。地元の住民も参加できる仕組み作りを行いながら、他地域への波及・連携を目指そうとする名張市の取り組みは、環境負荷を低減し資源環境型社会の実現を目指すことで、名張市産業振興ビジョンで規定する「環境産業の創造」を図るためにも、非常に重要な木質マテリアル推進事業であるというのが全体を通しての感想である。
 

                                             以上 

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プロフィール

ゆきまつ

Author:ゆきまつ
幸松(ゆきまつ) 
   孝太郎(こうたろう) 
65歳
住所:名張市百合が丘西2ー86
職業:名張市議会議員(無所属)
家族:妻、二男一女の5人家族
座右の銘:
”Mastery for Service
(奉仕のための練達)”
「”社会の中で輝いた生き方”をするために!」

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