ゆきまつ孝太郎活動報告〔無所属〕

名張市議会議員【2期目】 教育民生委員長

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2013-05-19 [ Sun ]
テーマ:寺島実郎(テラシマジツロウ)
昨日、寺島実郎氏の講演を聞いた。お話の中で、大中華圏の認識が重要であると指摘されたので、早速購入して概要をまとめた。

大中華圏―ネットワーク型世界観から中国の本質に迫る
•出版社/メーカー: NHK出版
•発売日: 2012/12/21
なぜ習近平は“中華民族の偉大な復興”と訴えるのか?
大中華圏という新たな視座から日本人の心の構えを問う!
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<目次より>
はじめに 「大中華圏」という視座
第1章 大中華圏の実体化―仮説は現実のものとなった
第2章 ネットワーク型世界観における大中華圏―「海の中国」の中核拠点としての香港・台湾・シンガポール
第3章 政治的意味を持ち始めた大中華圏
第4章 尖閣問題は日米問題でもある
第5章 今、中華人民共和国をどう見るか―私の体験的中国観の中で
第6章 大中華圏との向き合い方―日本人の心の構えが問われるとき

<プロフィール>
1947年北海道生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科修士課程修了後、三井物産入社。調査部、業務部を経て、ブルッキングス研究所(在ワシントンDC)に出向。その後、米国三井物産ワシントン事務所所長、三井物産戦略研究所所長、早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授、三井物産常務執行役員等を歴任し、現在は(一財)日本総合研究所理事長、多摩大学学長、三井物産戦略研究所会長。著書に『新経済主義宣言』(第15回石橋湛山賞受賞、新潮社)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

<概要>
1.「大中華圏」の実態
 冷戦の終了後、旧社会主義国はロシアにしても東欧にしても経済は一向に離陸しない。その中で中国だけは唯一大きく発展しつつあり、既に経済規模では日本を超えた。
 その要因はネットワーク型発展にあるというのが氏の指摘である。13億人を超える「陸の中国」は、華僑・華人が多く住む香港・台湾・シンガポールという島々からなる「海の中国」のエネルギーを取り入れながら発展を続けている。この姿を凝縮して表現したのが「大中華圏」という考え方だ。
 「大中華圏」全体のGDPは、日本の1.4倍に達し、さらにPPP(購買力平価:通貨の購買力で調整した実態に即した数値)ベースでみると、なんと日本の約3倍に達しています。この数値は、もはや米国と双肩を並べるレベルまで来ている
 世界における大中華圏の経済規模は2011年においては11.8%となり3位に日本の8.4%を凌駕している。購買力平価でみると日本は6.4%であるが中国は16.2%と2倍であり、大中華圏では18.4%と3倍近くに達している。
 日本との貿易では、アメリカは11.9%に落ち込んでいるのに対し、中国は20.5%、大中華圏では29.8%、そしてアジアは50.2%とついに半分を超えた。因みに中東は増えて11.1%、EUは減って10.5%、ロシア1.8%となっている。
 大中華圏はインターネット普及率が高い地域であり、中国自体は人口が多く40%台であるが、台湾・シンガポール・香港はいずれも75%程度でアジアの中では4位から6位の地位を占めている。大中華圏を行きかう人の流れは1.2億人となり、また文字を媒介とした情報技術によって相互コミュニケーションが活発になって結びつきを深めている。台湾とシンガポールとの提携関係も見逃せない。

 香港は、中国の海外からの投資の6割以上が経由し、海外からの投資の中継地点の役割を担っている。人口700万超の香港には年間3000万人に迫る中国からの来訪者があり、香港経済を支えている。
 台湾は、中国とは実質的な自由貿易協定を結んでおり、台湾企業の本土での生産立地が急速に進んでいて、上海付近には100万人を超す台湾人が移住している。人口2300万人の台湾はステルス国家(見えない国家)でもある。日本企業が台湾企業と合弁で中国に進出した成功例は多い。そういう企業は解決力が高く、反日暴動でも攻撃対象にはならなかった。
 シンガポールは、大中華圏の南端にありアセアン諸国とのつなぎめにあると同時にロンドン・ドバイ・バンガロール・シンガポール・シドニーと一直線に連なる「ユニオンジャックの矢」の根にあって、大英連邦のネットワーク上に位置している。インドなどアジアとアメリカをつないIT基盤インフラ、バイオ研究センター、メディカルツーリズム、アセアン諸国と格安でつなぐチャンギのLCC専用ターミナル、ソフトウェア、カジノ、金融サービス(イスラム金融、、)といった目に見えない財を創出する力を持つ「バーチャル国家」の成功モデルだ。人口518万人のシンガポールは一人当たりGDPが5.4万ドルで3.7万ドルの日本の1.5倍ほどだ。
こうした香港・台湾・シンガポールという「海の中国」からの投資は中国の対内直接投資の6割を超す状況にある。
 そして、この「大中華圏」内における「ヒト・モノ・カネ」の相互依存(圏内取引とでも言えばいいでしょうか)が、中国の成長を支えていると筆者は述べています。「ヒト」の部分では、「大中華圏」内の人材交流は10年余りで2倍の約13億人、「モノ」の部分では、中国の香港、台湾、シンガポール向けの輸出合計は約6倍となっています。特に「カネ」の部分ですが、2011年に行われた対中投資の内訳のうち、実に約65%が「大中華圏」からの投資だったというのです。特に香港は、全体の約50%を占めています。これは、海外諸国が中国に投資を行う際には、香港に投資会社を作り、香港を経由して中国に資金を投入している。

 大中華圏の実体化に伴って、中国はこの大中華圏ネットワークを政治的にも利用し始めている。それが尖閣問題である。このネットワークは相互古流と相互依存の関係にあり、互いに影響を受けやすくなる「相互依存の過敏性」が生じている。大中華圏は中国にとって両刃の剣である。

 楊外相は2012年9月の国連演説で、1895年の日清戦争後の下関条約で清国が台湾を日本に割譲し、同時に「台湾に附属する尖閣諸島」を日本が奪い取ったと主張した。割譲を受けた台湾とぼうこ諸島には尖閣諸島は含まれていない。つまり尖閣諸島は台湾のテリトリーではないという了解であった。1951年のサンフランシスコ平和条約で日本は中国に対して台湾を返還すること、そして沖縄は日本に潜在主権があることを米英は認めている。サンフランシスコ平和条約には中国も台湾(国民政府)も代表権問題が未解決のため署名していない。
その後、1972年に沖縄が日本に返還される。その際、尖閣は地図上でも返還される地域として明示されている。
そうすると中国が下関条約を根拠に領土権を主張するなら、1951年から1972年までの間に、尖閣が沖縄に含まれるのはおかしいと主張すべきだったはずである。下関条約を根拠にした中国の主張は無理があることがはっきりしている。

 周近平には農村下放体験と米国体験がある。格差問題への関心と米国への理解と共鳴がある。ここを理解した上で付き合うべきだと指摘する。

 北京オリンピックの頃から中国は「中華民族の歴史的成果」「中華民族の偉大な復興」という言葉を使い始めた。「社会主義」というイデオロギーで中国を束ねることはできなくなった。その模索の上で55の少数民族、6000万に及ぶ在外の華僑・華人を含む統合の概念として、「中華民族」というキーワードが登場してきた。

2.「大中華圏」との向き合い方
 中国の成長には、香港、台湾、シンガポールといった「海の中国」すなわち「大中華圏」とのコネクションが必要であり、中国と「大中華圏」を切り離して考えることはもはや不可能なのです。この中国と他の「大中華圏」諸国の距離を縮めたのは、『フラット化する社会』で述べられているように、IT技術の進歩によるインターネットでのコミュニケーションです。

 今日では、もはや「国家」という概念のみで、経済・政治・社会を語ることが難しくなっているということなのでしょう。中国は、隣国であり、大切なビジネスパートナーであると同時に、コンペティターとして様々なビジネスシーンなどで競合するケースが多数出てきています。
このような状況だからこそ、中国の本質を理解するためにいわゆる対「中国」ではなく対「大中華圏」という大きな視座にたった考え方が必要になってきています。

 氏が言う「国家」に収まりきらない共同体という考え方は、実際、欧州はEUとなったわけですから非常に重要な指摘だという感想を持ちました。
 おわりに、著者は“本質的な意味で中国を、そして大中華圏を脅威だとは思わない”と言っている。中国の挑戦は欧米近代化模倣路線であり、人類にとっての創造的な実験とは思えないからと言っている。

 戦後の日本は、現実には日米同盟に守られた「軽武装経済国家」として歩んできた。2011年から始まった貿易収支の赤字は、さらに拡大するだろう。「通商国家モデル」は転機を迎えている。私たちは、アジアのダイナミズムを吸収し、活力を維持する構想を再構築する局面にある。今こそ、日本人として大中華圏と向き合う構えが問われることになる。
 そういった意味では、現在ではどの業界・業種においても、中国・アジアを無視してビジネスを進めていくことはできません。今後の国際経済・政治を考えるうえで、多くのビジネスパーソンに参考となる一冊ですね。




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プロフィール

ゆきまつ

Author:ゆきまつ
幸松(ゆきまつ) 
   孝太郎(こうたろう) 
65歳
住所:名張市百合が丘西2ー86
職業:名張市議会議員(無所属)
家族:妻、二男一女の5人家族
座右の銘:
”Mastery for Service
(奉仕のための練達)”
「”社会の中で輝いた生き方”をするために!」

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