ゆきまつ孝太郎活動報告〔無所属〕

名張市議会議員【2期目】 教育民生委員長

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2012-11-17 [ Sat ]
テーマ:経済

 今日は、水野和夫(エコノミスト・埼玉大学大学院客員教授)のお話を聞くことができた。そこで、水野氏が登場している誌面を紹介したい。

 『
1.歴史的危機
 昨年9月に刊行された536ページの大著『終わりなき危機 君はグローバリゼーションの真実を見たか』は、今日の世界経済を襲っている危機を、5000年以上前にまでさかのぼり、壮大なスケールでの解明を試みている。
 三菱UFJ証券時代に、独自の視点による市場分析を展開しており、現在の危機に対する鋭利な警告を発しつづけてきた。また、07年刊の『人々はなぜグローバル経済の本質を見誤るのか』では、アナール学派の泰斗であるフェルナン・ブローデルの大著『地中海』などに依拠する真骨頂で、低成長時代に突入した欧米など先進国と、その最先端に位置する日本の状況を分析。それを「近代の終わり」という独自の切り口で描き出し、大きく注目された。
 
 最大のポイントは、「失われた20年」などと呼ばれる日本の長期停滞が、世界史における「最長で最大の低成長期」である。世界史上のそれぞれの国の成長率は、それぞれの時代における各国の「利子率」で把握できる。金利は、成長率に連動する函数であるからだ。GDP成長率の高い国は、高金利である。逆に、成長率の低い国の金利は、同じように低い。そして金利の記録は、国によっては紀元前3000年前まで遡ることもできる。
 日本がデフレ不況に突入するまでは、世界史上の最低金利の時代は、中世17世紀のヨーロッパだった。その前の世紀の1570年から、イタリアでは土地バブルが発生。そして破綻による大後退の時代に入る。
 
 イタリアの金利は1566年にピークの9.0%を記録したあと、著しい低下を続け、1619年には最低の1.125%となった。これが世界史上の最低金利だ。
 そもそも長期金利が2%以下になるということは、債券のリスクプレミアムを差し引けば、長期のGDP成長率が0%になることを意味する。金利は物価に連動するから、2%という金利は、市場が「インフレ率はゼロの時代に入った」と織り込んだのだ。つまり、成長は止まったのである。
 その後、欧米にもさまざまな低金利時代はあった。イギリスは1897年に永久国債の金利が2.21%にまで下がったし、アメリカでは1941年に長期国債の金利が1.85%を記録した。しかし、いずれも17世紀イタリアの記録は更新されてこなかった。

  これを塗り替えたのが日本だったのだ。日本の10年国債の利回りは1998年、1.120%にまで低下し、ついに世界記録を更新したのである。

 これは何を意味するのか。日本のヘゲモニーの終焉だ。
 世界史上の大国は、ヘゲモニーが終わると低金利に突入してきた。歴史の教訓である。世界における主役の座からすべり降りるとき、その国は低成長に入るのだ。
 16世紀はスペインの時代だった。しかしハプスブルク家は1559年にピークを迎え、その後は衰退に入る。それに交代したのはオランダだったが、やはり1650年にピークを迎え、衰退に入った。その後は大英帝国だ。しかしこのイギリスも、ピークは1873年。その後はアメリカに首座を奪われている。
 日本は、アメリカという大国のヘゲモニーのもとで成長し、そして、成長を終えてしまった。なぜだろうか。
 世界が20世紀に続けていた3軸での成長が、いずれも行き詰まってしまったからだと。その先端を走っていたのが日本だったのだ。
 3軸とは、「地理的な市場の拡大」と「途上国からの資源供給」そして「ITなどの技術進展」である。20世紀、世界の先進国が長期間の成長を続けられたのは、この3つの軸がそろっていたからだ。
 しかし現在、3軸はいずれも限界に達した。地上にはもはや、先進国が開拓して利益をむさぼれる「未開の地」はない。そればかりか、発展途上国はそれ自身が成長へと移行しはじめている。そのため、かつてのように安価な資源供給によって先進国を支えることはできなくなり、自分たちが資源を使う側へと回った。ITは、その発展期においては電脳空間という新たな発展の場所を与えてくれたが、すでに利益は吸い尽くされた。
 これらが、長期デフレの姿である。だから水野によれば、リフレ派などが唱えるような、
「金融政策によってデフレから脱却できる」
 といった主張は、妄言以外の何者でもない。
 では、どうするのか。 水野は、21世紀を「脱テクノロジー・脱成長の時代」として生き抜くことだという。
 東日本大震災は、この脱テクノロジー、脱成長を決定づけた。これから求められるのは、自然と共存し、ゼロ成長でも持続していける社会ということになる。一人ひとりの生き方が問われる時代だ。

2.企業の景況感と、個人のそれは別物
景気はいつ回復するのか、という質問を取材でよく受ける。景気についての議論は、以前なら生活水準の向上と直結したが、ここ10年ほどでそうではなくなった。
「成長とインフレがすべてを解決する」という考え方から脱却して初めて日本の「失われた10年」は終わる。だから、この質問が出る限り景気はよくならないと思う。

 公共投資や減税で景気が好転しても、雇用難や所得減といった問題を解決できなかったのは1990年以降の日本を見れば明らかだ。92年の宮沢内閣以来、「過去最大」と銘打った景気対策は何度か行われた。しかし、今も会社員の給料は下がり続け、若年層は就職難と高い失業率、低年収に苦しんでいる。
なぜ効果がないのか。端的にいうと、景気悪化→(景気対策による)財政支出と金融の量的緩和→マネーが市場に大量に流出→住宅価格および資源・食糧など原材料価格の高騰が起こり、実物経済がそれに振り回されているからだ。
例えば、原油価格は2002年頃から上昇に転じた。実需で決まる価格を大きく上回って、08年7月には1バレル=147ドルまで上昇(WTI)。日本の企業はこの影響をまともに受け、売上高の増加額以上に原材料費が増えた。
となると、各企業は原材料費という変動費の増加分を、人件費などの固定費や利益を削って賄うしかない。02年2月から07年10月までいざなみ景気とまでいわれながら、所得・雇用環境は一向に改善しなかった。
企業の景況感と個人のそれとは別物であり、景気対策はGDPを増やすことはできても、資源価格の高騰などを考慮に入れたGDI(国内総所得)は減少する。アジアなど新興国中心の景気回復は資源高を伴うのだから、GDPの増加をもってして景気が回復しているという認識が誤っている。

 今、先進諸国政府は90年以降日本がとった景気対策をなぞるように、財政支出や量的緩和でまたしても巨額のマネーを世界中に溢れさせ、資産価格を高騰させている。住宅価格が値上がりすれば、先進国の景気が回復し、金融商品化した資源価格が上がると新興国の景気が良くなる。好景気の間は資産価格の上昇を歓迎し、バブルが弾けると国頼みになって、財政の悪化は緊急時だからやむをえない、とされる。それが常態化して10年3月には国の借金が905兆円に膨れ上がる。先進国が景気対策として行う財政・金融政策の出番はもうない。

3.景気についての記事は「景気拡大⇒減」「後退⇒増」
ただ、何もするなと言っているわけではない。
取り組むべき方策は3つだ。まず、すでに民主党のマニフェストにもある「東アジア共同体構想」。東アジアという共同体の中で、日本がどう利益を得ていくかを打ち出してゆく。さらに、将来はユーラシア大陸の主要国を巻き込んで、中間所得層が増大する大きな市場(中国・インド)と資源(オーストラリア)、技術(日本)、マネー(中東)を内包する巨大な「陸の経済圏」をつくるのである。
2つ目は「環境」だ。温室効果ガスの25%削減は、高騰が必至となる原油代の節約になり、前述のような資源高→所得減という悪循環を抑えることになる。
これは、3つ目の所得・雇用対策にも繋がる。所得対策に加え、例えば低賃金・人手不足の続く介護など個人向けサービスの分野を魅力ある職場にするよう、政府・民間で考えていかねばならない。これら3つを一体のものとして取り組むことが重要だ。
先進国の時代は終わった。かといって、悲観することはない。日本を含む先進国は成熟の段階に達したので、財政・金融政策もそこに対応したものであるべきだ。新興国と近代化の土俵でGDP成長率を競い合っても意味がない。
現在の世界で進行している「近代の終焉」はこれから先も長く続く過程であるという。その先に見えてくるはずのポスト「近代」の姿は、さまざまな危機が露わにした「近代」の枠組みの延長線上にはありえない。
「21世紀は、経済的に見ればゼロ成長の時代であり、後半になると『グローバル資本帝国』解体の時代となるであろう」と水野は言う。逆に言えば、科学技術と成長の神話の上に成立した「グローバル資本帝国」を解体しないと、安定した社会はやってこない。その具体的な姿は、むろんまだ誰にも描けない。水野も「脱テクノロジー・脱成長の時代」「自然と人間の共存の時代」「脱化石燃料社会」「『定常』で成り立つシステム」「貯蓄と投資がバランスし、ゼロ成長で持続する社会」といった言葉で素描するに留めている。
今、私たちができることは、近代のシステムがもたらした歪みとその理由を正確に認識し、それをどう克服するか、だろう。その過程のなかからしか、来るべき社会の姿は見えてこない。

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プロフィール

ゆきまつ

Author:ゆきまつ
幸松(ゆきまつ) 
   孝太郎(こうたろう) 
65歳
住所:名張市百合が丘西2ー86
職業:名張市議会議員(無所属)
家族:妻、二男一女の5人家族
座右の銘:
”Mastery for Service
(奉仕のための練達)”
「”社会の中で輝いた生き方”をするために!」

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