ゆきまつ孝太郎活動報告〔無所属〕

名張市議会議員【2期目】 教育民生委員長

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2012-09-24 [ Mon ]
テーマ:地域活性化

本日は、大府市のげんきの郷にやってまいりました。この知多地域の「農家と地域に潤いを与える農産物直売所(愛知県大府市げんきの郷)」を紹介しましょう。

1 現状、取組のきっかけ 
 JAあいち知多の管内は、たまねぎ、ばれいしょ、キャベツ等の露地野菜生産が盛んな地域で全国出荷する単品大量生産型産地であった。これらの品目は価格の変動や労働負担が大きく、都市化や担い手の高齢化などによる営農意欲の衰退により本地域では耕作放棄地化が進行していた。
このようななか、JAあいち知多の子会社である株式会社げんきの郷が、都市近郊型地域農業の活性化を目標に「農と食、環境と福祉、文化をテーマとした健康・安全の地域づく
り」を活動理念とし、都市近郊地域において直売所、加工販売施設、農村レストラン等からなる地産地消の食と農をテーマにした複合拠点施設を中心に生産から加工、流通、販売、消費に至る新たな地産地消のシステムを構築した。

2 取組の内容
げんきの郷は、地場農産物の生産増加や農業所得の向上、後継者や新規就農者の確保等、地域農業の振興へ大きく貢献しており、2004年7月東浦町に、地産地消や消費者の安全・安心のニーズに応えるため、知多半島産農産物を事業者向けの加工品やカット野菜にして販売する農畜産物加工処理施設「あぐり工房」を開業した。あぐり工房内では、厳しい衛生管理のもと、持ち込んだ農産物に下洗浄・前処理・カット加工・加熱処理等の加工を施している。カット加工では、要望があれば、スライス幅、形状等ニーズに応えている。
また、野菜の品種や形状等、お客様からの細かな要望(パスタソース用のトマト品種やじく付きナス等)についても、農家に栽培の提案をすることで対応可能となっている。JAあいち知多による農家への技術指導により、納期を守り、品質が確かな信頼できる農家を選定している。
農産物の生産段階では、農家が各自、栽培履歴を記帳し、JAあいち知多の「食品安全分析センター」で生産物の残留農薬検査を適宜行っている。

3 取組の成果
あぐり工房の建設により、販売先は農村レストランでの利用だけでなく、中部国際空港内のレストランや空港関係の業者、弁当業者、外食業者、学校給食、JAあいち知多のグルー
プの葬儀関係会社などに供給することが可能となった。このため、栽培面積を増やす農家や要望に応えて新たな品種を栽培する農家も出始めた。農家も自分が作った野菜がどこで利用されているかがわかり、市場よりも高く安定した価格で取引でき生産意欲を増す効果につながっている。
空港内のイベントがきっかけで、知多半島産農産物を取り扱いたいとの要望や知多半島産農産物を使った弁当作りの企画が業者から提案されるようになった。学校給食の需要にも対応し、地産地消による食育推進に寄与している。
JAあいち知多グループは、地産地消を通じて、生産・加工・流通・販売・消費の一環システムの確立や、農商工連携による六次産業化により農業・農村の活性化に大きく貢献している。

3.それでは、この「げんきの郷」誕生のいきさつを竹森氏と鈴村社長と鈴木総括部長の会話を紹介しましょう。
竹森:この度は、農林水産大臣賞受賞おめでとうございます。まずは、「げんきの郷」ができたいきさつをお聞かせください。
鈴村:旧東知多農協、西知多農協、知多農協が合併し「あいち知多農協」ができてから10年になりますが、旧東知多農協は合併の5年くらい前から「アグリルネサンス構想」を打ち立て、ここで生産した堆肥で作物を作る環境保全型農業を当時の組合長を初め、組合員が力を合わせて目指してきました。その一つとして地元のものを地元で売るための拠点となる施設を35億円もの投資をして造ることとしました。
竹森:かなり不安もあったのではないですか。
鈴村:はい。私は、ここの3代目の社長ですが、施設ができた当時は一農家だったんです。本当に大丈夫なのかと非常に心配していました。今でこそ、大勢のお客様に来ていただいていますが、これほどの巨額の資金をつぎ込んで造るのは一つの賭けだったんです。当初の計画では年間70万人の来店を見込んでいましたが、お蔭様で今では200万人を越えるお客様が来てくれています。
竹森:直売所を始めるには、商品を持ち込む農家が必要ですが、どのように募ったのですか。
鈴村:まずは1千人を目標にしました。
高木:農協職員一人ひとりが農家に働きかけて1千人集めることができました。
品揃えを決めるのは会社でなく農家売れるものを作る
竹森:直売所の魅力は、品揃えの豊富さや安さなどありますが、どのようなニーズに応えていこうとしましたか。
鈴村:この地域は、昔はキャベツ、たまねぎ、じゃがいもなど重量野菜の産地でした。すると、ある時期はキャベツばかり、ある時期はじゃがいもばかりと品揃えが偏ってしまうことが心配でした。お客様が来てくれると、葉物などほかのものが欲しいという要望が出てきます。そのような声を聞いた農家に変化が生まれました。当時と比べて今は品目が倍以上になったと思います。
お客様のニーズに合わなければ自分のものは売れませんからね。特に産直では鮮度が目に見えやすい。ここには、いも部会、葉菜部会、果菜部会といった様々な部会を持っています。その部会ごとにどういう作物を作ろうか話し合って決めています。

<地産地消のメリットとデメリット>
①身近な場所から新鮮な農産物を得ることができる
②消費者自らが生産状況等を確認でき、安心感が得られる
③食と農について親近感を得るとともに、生産と消費の関わりや伝統的な食文化について理解を深める機会となる
④流通経費等の節減等により安価に購入できる

<メリット>
①消費者との顔が見える関係により地域の消費者ニーズを的確にとらえた効率的な生産を行うことができ

②流通経費の節減により生産者の手取りの増加が図られ、収益性の向上が期待できる
③生産者が直接販売することにより、少量な産品、加工・調理品も、さらに場合によっては不揃い品や規
ッ者格外品も販売可能となる
④対面販売により消費者の反応や評価が直接届き、生産者が品質改善や顧客サービスに前向きになる
⑤高齢者が生きがい、女性がやりがいを実感でき、地域の連帯感が強まる
⑥耕作放棄地や捨て作りを防止でき、地域特産物や伝統的調理法を継承する等、農地や技術を保全、継承
する
<デメリット>
①コストアップの要因になりうる(地産地消は必ずしも大量流通に適したシステムになっていない)
リ②「地産地消ならどんな地場産品でも売れる」といった安易な考え方に陥る危険
③農産物流通の大宗を担うことにはならない(地場の農産物のみによってすべての品揃えを賄おうとするのは困難)

竹森:何を作ってここへ持ち込むかは、農協でなく会社が決めているんですね。
高木:そういうこともありますが、言われたから作るとか、できたから売るのではなく、売れるものを作ることが大切です。言われたものを作り売れなかったと文句を言うのは責任転嫁であり、農家の甘えです。品目数が増えていったのは、「誰よりも早く出そう」、「できるだけ長い期間出荷しよう」と農家自身が努力した結果です。例えば、トマトは赤、黄、白、黒と色とりどりで、専門店のバイヤーさんもビックリなさるほどです。農家には「お客様の目線で取り組んでください。げんきの郷はそれをお手伝いをします」というスタンスです。
竹森:店頭に並ぶ野菜などは、農家が自分で持ち込むのですか。また、手数料はどうしていますか。
鈴村:農家が持ち込み、売れ残ったら農家が取りに来ます。会社は売れた分の15%を手数料としていただき、社の利益としています。去年(2008年)からは、15%とは別にさらに1%を安全安心対策基金として積み立てています。これは、残留農薬の検査やDNA検査などの費用として使っています。
高木:検査は抜き打ちでしているので、検査を受けた人だけ検査費用2万円を負担するのは、不公平だとの声があり、出荷者全員一律で負担することしました。
鈴村:「そんなものは会社が払うべきだ」とか、この負担を求めるのには、かなりもめました。
竹森:一番売れている農家でどの程度売り上げがあるのですか。
鈴村:年間7~8千万円の人もいますよ。3千万円以上が6戸、2~3千万円が6戸です。そういう人は、げんきの郷以外にも出荷しています。売り上げの少ない農家の方ほど全量、うちへの出荷です。大きい農家は、全体の6~7割がうちへの出荷で、その農家の全体の売り上げとしてはもっとあると思います。げんきの郷は販路にすぎないんです。基本は、げんきの郷でなく農家が潤えばよいと思っています。社の利益を追求するにはスーパーのようにすればいいだけのことです。例えば、手数料を15%から20%にあげれば社の利益にはなりますが、私はそうじゃないと思うんです。地域が潤い、後継者ができるようにしていかないと、今は良くても将来に禍根を残すことになります。農家からも地域から慕われる会社であれば、何がどうであっても大丈夫と思っています。
竹森:当初、会員農家は1千人だったそうですが、今は何人ですか。
鈴村:720人です。2年間出荷がなければ除名し、もう一度整理しようとしているところです。
竹森:誰のものをどこに置くかという売り場の調整は会社がするのですか。
鈴村:そうです。台の上に乗ったら会社のものだと言ってあります。例えば、農家が野菜を持ってきて台の上にドンと置き、他の人に迷惑かけてもらっては困ります。その人の店ではないのです
から。
チャンスロスをなくせ! 「○○さんのいちごはまだですか」
竹森:1日に3回搬入があるそうですが、何が売れたかを携帯電話で聞くことができるそうですね。
鈴村:システム利用料として年間1千円払えば、できます。POSシステムと連動していて、自分の出荷したもののうち何がいくつ売れたか確認できます。
高木:例えば、朝出荷して多く売れていると、「今日はお客さん多いな、よしもっと作ろう」となります。これによって、意欲が変わってくると思います。この時期は何が売れるというデータも蓄積されていきます。「こんなにお客様がいるのになぜ品物がないんだと」よく社長に叱られます。
「今どこにいますか?畑ですか。すぐ大根を持ってきてください」と社員が直接農家に電話することもあります。
鈴村:日曜日など午後には品物がなくなることがあるんですよ。こんなに売れるときに何をやっているんだと。持ってきていただければすぐ売れるからと電話させています。お客様も喜ぶ、農家も売れるとお互いプラスです。
竹森:土日のようにお客様が集中するときはそういう努力もしているのですね。
高木:農家もチャンスロスをなくすために、ローテーションを組んで時間差で持ち込むこともあります。生産者自身が搬入時間などを黒板に書いていきます。お客様の中には「○○さんのいちごはまだですか」と尋ねられる人もいます。そんなときには黒板を見に行き時間を教えて差し上げると、その時間までお客様は待ってくれています。今では農家の名前で商品を買っていくお客様がいらっしゃいます。その出発はいちごだったんです。500円と800円のいちごが並んでいて、500円のが売れるのかなと最初は思っていたんです。ところが800円が日が経つうちに飛ぶように売れるんです。やっぱり味なんです。こうした現象がいちごに始まって、果菜類に移り、今では葉菜類まで、○○さんのものが欲しいとその方の出荷物を購入されます。そういう方をリピーターとして大切にしようと社長がいつもおっしゃっています。農家自身も自分の作ったものだというプライドを持っていますし、余ったからげんきの郷へ持っていこうという意識の農家は自然に淘汰されてきました。キャベツが山のように積まれていると、ある人のキャベツは完売し、ある人のキャベツは残るということもあります。品質の善し悪しはもちろんですが、農家の名前でお客様が買うようになったことです。チャンスロスをなくし、あなたのキャベツを早く持ってきてくださいと電話するわけです。手が離せない農家には、社員が畑まで取りに行くことがあります。全部そんなことをしていては社員が何人いても足りませんから、チャンスロスが大きくなってしまう土・日曜日など限られたときはそうしてます。
鈴村:欲しいときに買えなければ意味がないんですよ。
竹森:一度来て物がなければ、次は来てくれませんよね。
鈴村:そうです。それを提供するのが会社の役目です。農家の人はきちんと作り、我々はそれを店に並べるのが役目です。
竹森:リピーターの話が出ましたが、リピーター確保にそのほかに努力していることはありますか。
鈴村:直売所は「げんきカード」というポイントカードを作っています。登録いただいている4万6千名にイベントのお知らせをしたりしています。天然温泉には「めぐみの
会」、レストランには「だんらん会」という利用者の会があり農家の方と交流する機会も設けています。また、直売所で買い物をするとポイントがたまり、買い物券に替えることができます。先日、大臣賞をいただきましたので、3月中はポイント2倍のサービスをしています。
高木:ポイント2倍の広告を打ったら、お客様が増えました。リピーターの確保の方法は、スーパーと同じですが、違いは直売比率だと思います。ここで扱うものは、知多半島でできたものが80%以上です。売り上げ金額は大手スーパーにはかないませんが、直売比率80数%はおそらく日本一じゃないかと思っています。知多半島で採れない物や端境期には姉妹農協、友好農協から取り寄せます。「これはどこのリンゴですか」、「JA○○のです。今度交流会がありますので一緒に現地に行きませんか」とお誘いし産地へ実際に案内します。
竹森:牛乳、花等も置いてあり、それだけ地域に多様な農業が育っていると感じられますね。
高木:今、地産地消という言葉がもてはやされていますが、元々は農林水産省が作った言葉ですよね。
1980年代に、地域内食生活向上対策事業の中でできた言葉でした。当時の農家の方の食事が、いつも米、味噌汁、漬物のパターンだったので、これではいけないと農家の方にいろいろなものを食べてもらうために、いろいろな野菜を作るようにした食生活向上が地産地消の始まりのようでした。げんきの郷は、農家の人がいろいろな野菜を作り、地元に供給しています。本当の意味での地産地消をしているので、農林水産省から農林水産大臣賞を頂けたのだと思っています。竹森:集客を高めるためにイベントもたくさんしているそうですね。
鈴村:はい。子ども向けの野外での映画鑑賞会、コンサート、米作りやスイトコーン、ジャガイモの作付・収穫体験など、お客様や障害者の方々を招いていろいろしています。
私は、会社だけでなく農家の方と一緒になってイベントを多くやるべきだと思っています。農家が軽トラいっぱいのキャベツを積んできて、本人が売り、売れたお金は大府市や東浦町の障害者施設等に会社からではなく農家自らがボランティアで届けるんですよ。
高木:田植えから除草、稲刈り、最後の餅つきまでお客様が食の入り口から出口まで一貫して体験してもらうようにしています。募集を始めると申し込みの電話が殺到して1日で定員になってしまうほどです。名古屋からいらっしゃる方も多いです。豆腐作りやそば打ち、流しそうめんなどいろいろ企画しています。
鈴村:げんきの郷でしかできないことをしていきたいですね。昔の小さな集落でやっていた行事をここでやることによって、子供の頃の思い出になってくれればいいなと思います。大人になって大府市に戻ってきたとき、ここでいろいろなことをやった遊び場の一つだったなと思ってくれたらいいです。都会に行くほどそういう場がなくなってきていますから。
竹森:体験以外に消費者との勉強会もあるのですか。
鈴村:堅苦しいのは少ないですが、隣の「あすなろ舎」で野菜作りや果樹の手入れなど年間を通じた講座を開いて、修了者には修了証書を渡すことにしています。
作る農家も使う飲食店も地域みんなで儲けよう
竹森:品揃えや運営面でお客様の声を聞く機会は設けていますか。
鈴村:高木部長は、農協から出向で来てもらっているのですが、東海地方で一人という野菜ソムリエのシニアの資格を持っています。だからお客様の質問に対し答えることができます。やはり社員はお客様に説明できなければいけませんが、これだけ種類が多いとすべてを答えるにはよほど勉強しなければいけない。その点彼はお客様にこの野菜はこう使ったらいいんですよと説明しています。消費者との対話は、知識がなければできませんからね。
高木:私は、昔の八百屋を復活させたいんです。セルフサービスの大手量販店が作ったシステムのお
かげで人件費などの経費は小さくなりましたが、生産者と消費者との会話はなくなりましたよ
ね。それを取り戻すために、社員がお客様に声をかけられたら、簡単にレシピや栄養について
会話ができたり、社長が言う生産者の声を消費者に届ける事ができる八百屋さんを復活させた
いです。
鈴村:ここの店の社員は、みんな野菜ソムリエの資格を取らせよう、もっていなければ社員になれな
いというようにしていかないといけないかなと思っています。そうすれば、げんきの郷にハク
がつくし、大きな宣伝にもなるんですよね。彼が来たからなおさら、直売と食が上手にコラボ
できるとよいなと思っています。すごくいい発想をしてくれているから、いろいろなことが挑
戦できると思います。今回、彼を仲立ちにイタリアン料理の店で「げんきの郷の野菜つかって
ます」認定制度を作ったんです。高木:そのお店への来店者に「げんきの郷の野菜つかってます」とお知らせするんです。げんきの郷
の野菜を目当てにくるお客様もいるでしょうし、知らない方にもげんきの郷を知る機会にもなります。新聞に載ったおかげで名古屋市内からも数店、問い合わせが来ましたが、まずは知多半島からと考えています。ある店は「ぜひ厨房に来て板長と話をして下さい。それから認定するかどうか決めてくれていい」といったお話もいただいています。「げんきの郷の野菜つかっています」の認定を進めているうちに、社長が突然、「げんきの郷の野菜つくっています」というステッカーを車に貼るのはどうだと言い出しました。作っている農家もプライドを持っています。先日、生産者の代表者会にかけたら、おおむねOKになりました。
鈴村:農家自身の意識も高まるでしょうね。私は、地域一体となってやっていこう、自分の会社だけが儲ければいいのではないと思っています。一緒にやる方からの意見が出てくれば、どんどん吸収していきたい。そうすることで、みんなが喜んでもらえると思います。
高木:例えば、うちのレストランが満員だったとき、認定店にお客様をご紹介すことができるようになります。
鈴村:お客様をがっかりさせずに済みます。
高木:ゆくゆくは「げんきの郷の野菜をつかってます」店のマップができればいいなと思います。鈴村:農家のためになることなら、やっていきたいと思っています。私自身も一農家としてここへ出荷しています。だから、農家の気持ちをわかってもらわないと意味がないとずっと言い続けてきました。農家があってこそこの会社がある。これを常に自分の頭に入れています。大臣賞を受賞したときに、東京本省の担当者にぜひ現場に来てくださいと話しました。
竹森:本省に言っておきますよ。
鈴村:その担当の方に、1万3千ケ所もある直売場を農水省はどうしていくんですかと、お話したんですよ。自給率は本当に何をすると高まると思いますかと。自給率は、農家が大面積やる人がひとり増えれば上がるのではなく、底辺が増えれば絶対上がると思います。50アールの農家が食べていければ自給率は高まると思います。今はその規模では食べていけないから、大規模や複合経営になってきたわけです。ほうれん草30アールで食べていければそれでいいんです。
竹森:野菜ではいいかもしれませんが、米だと小規模では無理があると思います。
鈴村:宮城県登米市や熊本県に視察に行きましたが、一俵10万円の米もありますから。
竹森:有機農業でやっていらっしゃる方もいますが、それでも限界はありますからね。げんきの郷では、今後はどんな構想をお持ちですか。
鈴村:これからは、イベントとしては農家の顔の見える、芋や煎餅を焼いたりする場が必要かなと思っています。それから、食育のことを考えると「育」とは子どもに何を食
べさせるかということだと思います。子どもに地元のものを食べさせ、永久に地元のものを食べたいと思ってもらうことです。親が子どもに何を食べさせるかだと思います。小さいときに外国のものを食べさせるのか、日本のものを食べさせるのかです。子どもの頃に食べたものは大きくなってからも忘れません。そういうことをやるためのイベントも考えていきたい。ぶどう狩りでもとうもろこし狩りでもいいから会社がやるのではなく農家の人にやってもらいたい。近くに健康な人が入れる老人ホームがありますが、そういう人たちに体験に来てもらってもよい。それが地域貢献にもなります。もちろん一番の基本は農家のためにです。一番の心配は後継者です。今のままなら品物が大きく欠乏してしまうでしょう。そうすると、知多半島全域から集めてこないといけなくなるでしょう。早く流通
をなんとかしたいと考えています。ここでの「地産地消」は、知多半島内ならよいと思っています。
立地条件を見極めてうちを真似るだけではダメ
竹森:地産地消を進めるためにただ箱物の施設を作ればよいわけではないので、こういうことをきちんとしたほうがいいというものがありますか。
鈴村:私は立地条件だと思います。授賞式の時には石川県の過疎地域の方もみえていましたが、それ
でも地産地消をしているんです。それはなぜか。私は売り上げではないと思います。売り上げ20億円が立派ではない、1億円でも5億円でもその地域で生きていくことを考えなければならないと思います。地域から慕われる、注目されることをしなければ生きていけないと思います。
日本は市場流通が基本だと思います。市場流通をなくしたら日本の農業は成り立ちません。市場流通6割、地産地消は4割までだと思います。知多半島では400億円の販売高がありますが、そのうちの100億円を越えたら、直売所はお互いに食いつぶし合うと思います。今、日本には1万3千ケ所できていますが、既に淘汰されているところはいっぱいあると思います。信州からこの店に研修生が来ますが、組合長に「うちのマネをしてもダメだよ。上層部が考えて提案していかないとダメになりますよ」と言いました。北海道には北海道の、沖縄には沖縄の直売所のあり方がある。うちは大都市圏を控えた立地条件があるから20億円の売り上げがあるんです。
信州の山奥で30億円投資したところで、ここほどお客様は入らないと思います。そういう条件を踏まえた上でやっていかないといけないと思います。
高木:うちの地産地消は「知産知消」と書きます。知多半島で採れたものを知多半島で消費するという意味です。地元のものを知るという意味もあります。このような造語も地元の人に親しみを持ってもらいたい思いがあります。
鈴村:局長さんに質問させていただきたいのですが、海部で講演した時、こんな話が出ました。「我々団塊の世代*1のサラリーマンが定年を迎えました。私らは若い頃から集落で役員をするなど地域を守ってきました。その地域にある日突然入ってきて、ほうれん草やキャベツを作って地産地産だと言って広場で売る。しかも、我々と同じ値段でなく安い値段で売ります。その方たち(農家の顔が見える)は、退職金や年金がありますが、我々は野菜を売ることで生計をたてています。こういう状況をどう思いますか?」という話が出ました。こうしたことを積極的に進めてよいものかと思いました。団塊の世代は労働力としてはいいかもしれませんが、経営者としてはコツコツ地域を守ってきた人に対しては失礼かなと思いますが、どうでしょうか。
竹森:トータルで言えば、人がいないので、団塊の世代の方が農業に入ってくるのはよいのかなと思います。でも、自分の労賃をゼロとして資材費分だけを販売価格にするようなやり方では長続きしないのではと思います。農家の人はギリギリのところでやっているわけで、誰がやってもある程度コストは掛かるわけです。むしろ農家自身がその計算をしないことの方が問題ですよね。よく言われるのですが、これからは大手量販店でプライベートブランドとして店頭に並ぶとき、農家が自分の商品をどれだけコストが掛かっているかを言えないようでは商売にならないのではないかと思いますね。一方的に押されまくって商売にならないからすぐやめることになるでしょう。長続きしている人は、いくらまでなら引き受けられると分かっているから、それ以下では引き受けない。量販店はいくらで出せと要求しますから、農家もコスト意識が必要です。
鈴村:とにかく農家が大学生2人くらい育てて生活していけるような世の中にしないとダメだと思います。できなければ跡を継ぐわけがない。そのためには、局長が言われるように、いくら小規模だろうが経営者にならなければならない。
竹森:今は台風で国内産地の出荷が止まれば、すぐにカルフォルニアから運ばれてくるような物流になっている。自分で作ったものを自分で説明して売っていかないと続けていけなくなってきていると思います。
「直売所は安い」は誤解うちはくず物は売りません
鈴村:私は1個1千円のキャベツができないかと考えています。あの店へ行ったら1千円のキャベツがあるぞと話題にならないかなと。10万円の米も10万円の価値があれば買ってくれると思うんです。価値があるかないかが問題です。
竹森:有機栽培も単に健康にいいというイメージでなく価値として認めてくれるかどうかですよね。
ちょっと高くなったら売れなくなってしまう。
高木:うちの直売所は安くありません。よく「高いねこの直売所」と言うお客様もいます。直売所が安いというイメージがあるようですが、800円のいちごが飛ぶように売れるんです。値段を見て買うのではなく、品物の善し悪し見て、その価値を認めてくれるお客様、そしてそれを作る農家を大切にしていきたいんです。
鈴村:品が悪いものは外に出して売らないようにしています。最初は農家の反発もありましたよ。出
荷者ともよくケンカをしたものです。安ければ品が悪くてもよいかということです。品が良くて安いならよいのですが、だいたい品が悪くて安い。安物コーナーを作ってくれというお客様の要望もありますが、そうすると不思議なことにそういうお客様ばかりになってしまうものな
んです。
高木:悪い品をよけてしまってその農家と口論になることもあります。そのときに、出荷者自身に「あなたこれを100円で買いますか」と聞いてみると「買わない」と答える。「だったら売らないで下さい」と言う話です。私は農家でなく買うというお客様の目線で見ていますから。つい最近、ずいぶん安いきゅうりが売られていたので、1袋300円のきゅうりを二つに分けてせめて200円ずつで売れないかとお願いしたら、「だってこれはくずだから」と言うんです。すぐに外に出して下さいと注意をしました。ここはくずを売る店ではないのです。こういうことも株式会社だから言えます。これが農協だったら、保険の加入や貯金をしてもらわなければならないので言えなかったでしょうね。農協の直売所がうまくいかないのはそういうしがらみがあるからじゃないでしょうか。農家もそのような文句は農協に言えても有名な大手量販店の担当者には言えないですよ。それは農家の甘えですね。
鈴村:農家はわがままなんです。みかんを持ち込んだら、よく売れるように他の人のみかんの上に自分のみかんを置きたくなるんです。悪いものでもよく売れるようにです。規格外のものは弁当など加工して使うようにしていけばいいんです。曲がったきゅうりだって漬物にすればいい。
高木:曲がったきゅうりでも味は同じという人がいますが、きゅうりは、まっすぐ伸びる性質があるんです。曲がるということは何かが欠乏しているなど障害があるんです。また、「私は虫食いのキャベツが安心なので食べます」とおっしゃるんです。単純に虫食いだから安心でしょうか。
例えば、柿の消毒は、花の咲く頃と渋が抜ける頃の2回で大丈夫なんです。でも私は下手だから5回やってもダメなんです。5回消毒して虫食いの柿と2回の消毒できれいな柿とどちらが安心ですかということです。本当に訳の分からないご意見もいただきます。「卵買ったら二玉だった。気持ち悪いから表示してください」とか。昔なら二玉だったら喜んじゃいましたけどね。
そう考えるお客様にもきちんと説明できる店作りが大切だなと思います。
鈴村:責任は常に会社にありますから、それに対処していかなければなりませんが、前向きに考えて正々堂々と説明できるようにしていきたい。そういった面ではぜひ今後ともご指導ください。
管理者だけでなく社員もプロの知識を持っていないといけません。お客様にすぐ対応できるようにしていきたいと思っています。

以上ですが、げんきの郷の秘密がわかりましたでしょうか

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プロフィール

ゆきまつ

Author:ゆきまつ
幸松(ゆきまつ) 
   孝太郎(こうたろう) 
65歳
住所:名張市百合が丘西2ー86
職業:名張市議会議員(無所属)
家族:妻、二男一女の5人家族
座右の銘:
”Mastery for Service
(奉仕のための練達)”
「”社会の中で輝いた生き方”をするために!」

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